ルーシアの妹 公演情報 ライオン・パーマ「ルーシアの妹」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    タイトルの意味
    人は「正義」だけで幸せになれるのか?
    「正義」だけで国を治めることはできるのか?
    設定と、少女が旅を通してさらに成長していく様は面白いし説得力がある。
    「正義」の対極にある”大人になることのほろ苦さ”も際立っている。
    ただ2時間越えは少し長く感じた。
    もう少しコンパクトにして、その分“こなす”ように早口で流れてしまった台詞を
    丁寧に立てたら、味わいある台詞がさらに活かされると思う。
    ギャグのセンスと間が良くて、大いに笑った。
    なぜこのタイトルなのか、観終わってひどく納得。

    ネタバレBOX

    その国にはもう3年も国王がいない。
    噂では森の中に、王になるべき者が試される道があると言うが真実は解らない。
    母の病気に効く青い花を取りに行くべく、ルーシアの妹エミリーが旅立つ。
    彼女の行く手に立ちはだかる試練と、乗り越える度に強くなっていくエミリー。
    その陰には、本当に民のための国王を選ぼうとする者たちの真摯な思いがあった。
    そしてエミリーの、足の悪い姉ルーシアの秘密が明らかになる…。

    正義だけで理想を実現させようとしても無理がある、
    だから闇の部分を引き受ける者が存在し、彼らはその秘密を墓場まで持って行く…
    という“大人のリアル”が前提にあって説得力を持つ。
    試される各ステップが明確なテーマを持っていて面白い。
    フラッシュバックのように、姉ルーシアの時のことが再現されるのが良い。
    そのエピソードによって、試練の過酷さと選抜された理由が伝わってくる。
    ただルーシアの魅力がもっと強く出るシーンが、再現場面の他に欲しかったと思う。
    最後のステップで、エミリーが何を選択したのかが明かされないところがまた
    為政者の取るべき道を考えさせる。

    姉妹の父親役の草野智之さん、滑舌良く
    汚れ役を引き受ける覚悟を語る長台詞も良かった。
    前国王の息子でありながら国王にならないと決めた男を演じた橋本一郎さん、
    理想を追い求める高潔な精神の男を、融通の効かなさも含めて好演した。
    その娘で、父を尊敬しながらも大きな嘘を背負うことを選ぶアリ役の柳瀬春日さん、
    アニメキャラのような可憐な容姿とよく通る声、表現力ある台詞で存在感大。

    作品全体が筆の進むままに饒舌になっていった感があり、
    もう少しコンパクトになったらメリハリがついてもっと面白くなったような気がする。
    それにしてもあの歌を、皆さんよく笑わないで歌えるものだと関心した(笑)

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    2014/05/16 04:20

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