「虚実の境い目は、わたしのビニールより薄い」。
なるほど。だから美術がああなっていたのか。
いくつかの要素で「サンプル?」って思う部分があったり。でも違う。いえ、そう思ったのは事実です。けれど別物でした。なんか、こっちはソフト。そういえばダッチワイフって柔らかいのかなー。
冒頭の30分でタイトルに絡んだ話も出るし、人物の背景もひとしきり描かれています。なので一度その辺りで山を越えた気分になるのですが、よく観るべきは更にそこからの部分。対比する姉と妹の関係や思惑を、じっくり。どちら側の言い様も正論ではありますが、一般的には妹の主張に立ちたい人のほうが多いと思います。しかしその妹の行動が正しいかと言えばそうでもないし、対する姉の行動にも全く理解が出来ない訳じゃないけどちょっと距離を置きたい気がする。どちらも自分に正直ではあるのです。ただそれだけじゃやって行けないのが社会的な生活を送る上での人間の性。「性」と書いて「さが」であり、「せい」なのです。