満足度★★★★
放電家族「厭劇入門」観ました
出演中のクセックACT『ラッパチーニの娘』、三日目昼公演後に観に行きました。(去年も同じパターン)
演劇の裏側(いわゆる「楽屋ネタ」として軽視され、「やってはいけない」と言われる)を題材にした、若い演劇関係者ほど観ていて嫌になるであろう話。
演劇の好きも嫌いも強く持つ、天野さんならでは。
そこへ日本神話の構造を絡めたり、笑いやダンスを散りばめたりして、彼の苦い血と肉を食べやすく料理した演出(配役にも仕掛けが)。
人はなぜ演劇をやるのか、なぜ始めたのか、なぜ続けるのか。
演劇の裏側を見て、人は何を考えるのか。
一筋の光すら与えないからこそ、身につまされる切実さ、誠実さが感じられる。(一般のお客さんは、やっぱり光がほしいみたいだけど)
どうしようもない現実に嘘はつけないけど、それを直視した上で、こうして見世物にはできる。
自分の生身を切り刻んで見せる強さ。
演劇に対して抗い続け、演劇と共に歩み続ける人生が生み出す舞台。
おそらく来年も私は、クセック公演後に放電家族を観に行くことでしょう。
そして、天野さんはまた、ぬるい人々から怖がられることでしょう。。。