THE GHOST STORY 公演情報 ネオゼネレイター・プロジェクト「THE GHOST STORY」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    濃厚な2時間20分
    正直「長い」とは思ったが、それは劇場のシートの問題(クッションを2枚背もたれ1枚設けるなど工夫はしていたが)であって、内容は密度の濃い2時間20分だった。

    チラシなどにも書かれていた故カート・ヴォネガットへのオマージュというのがよくわかる世界観。出演した役者陣の魅力もさることながら、阿部康子の照明が冴えるステージだった。

    ネタバレBOX

    三重構造のストーリー構成、空間を無駄なく計算して作り込んだ舞台装置、派手さには欠けるが説得力のある衣裳、細かいところまで手の込んだ小道具、選曲のセンス、懐中電灯の使い方、などなど、虚仮威しではなく小劇場でできることの限界を追究しているようで、感心するところもしばしば。

    お話自体は、一見マニアックな小説や神話を引用した密室ミステリーの体ではあるが、その裏にある「過去に諦めてしまったものを再び思い出して、後悔しない人生を送る」ことへの悲喜こもごもを見せてもらったような気がして、最後はじんわりくるものがあった。NGPそのもののことを描いているのかもしれないが、40代以上の多少なりとも人生で苦労してきた人や、日常を諦め気味の人には、説得力のある内容に映ったのではないだろうか。決して安易なハッピーエンドに終わらせていないところが、作家としての大西氏の懐の深さを感じさせる。

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    2008/07/21 18:08

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