みみ 公演情報 東京ネジ「みみ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    レシピと材料は上質。
    「耳」というテーマをもってきた時点で
    作家の感覚が素敵だなと思う。

    唐十郎のクラシックス『ジャガーの眼』では
    眼球を移植して見た幻が客席を翻弄するが、
    本作品は耳だ。
    音を拾う。会話をする。そして単純に穴。
    性感帯にもなり得る。耳って不思議。
    耳をテーマにしたオムニバスになるところを
    全部くっつけて120分にした感じであった。

    役者は佐々木なふみさんが圧倒的によかった。
    こういった幻想譚は作家が直接表現するに限る。

    過去共演者の清水那保を応援しに行ったので
    彼女についても書く。ホームチームと比べて
    余裕が感じられて楽しかった。黒くない清水那保は
    フツーにまっすぐな少女で、引力は下がるが
    これはこれでポップでよいのでは。
    今度はもっと「いかにも」じゃない役をくれる客演先に
    出会えるといいね。

    演出はつまんなかった。
    起伏に欠け、2時間が長く感じられ、暑く、退屈。
    こういった小劇場芝居の形式ではなく、
    エアコンの効いたリクライニング席がずらーっと並ぶ
    ようなところで佐々木なふみさんに脚本を朗読してもらい、
    ビール片手に聴いていたい。作家自身による60分位の
    リーディング。そういった形態でもこのホンの表したいものは
    表現可能なのではないだろーか。

    観客が舞台を観続けるには
    作品に好感(知名度や親しみやすさ)とギャップ(起伏や意外性)
    が必要だと思う。
    時間堂・MU・柿喰う客などで
    堀越さん・大塚さん・なふみさんに好感をもっており、
    今度一緒にイベントやる北さんが音響で、
    応援したい清水那保が出演している時点で
    俺の好感度は100%
    なのに飽きた。

    起伏が少ない。
    本当に皆こんなものをありがたがって観ているのだろうか。
    おしゃれっぽいし、注目度の高い若手小劇場役者が出ていて、
    コリッチで話題に上がっているから、流れで足を運んでいるのでは
    ないだろーかとさえ思えてくる。

    脚本の方向性が好みなだけに
    大人し過ぎる演出が残念であった。もっとドキドキさせて。

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    2008/07/17 01:43

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