片腕・少年・水晶幻想 公演情報 台湾・日本国際協同企画川端康成トリロジー「片腕・少年・水晶幻想」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    フェチ
    全く趣の異なる川端康成の三作品ですが、連続性を持たせるちょっとした工夫がありました。

    ネタバレBOX

    『水晶幻想』  原作:川端康成 演出・振付:山縣美礼

    女優さん一人によるダンスパフォーマンス。赤と黒の派手な衣装に対し、食卓には白のお茶セットにゆでたまご、天井から白い粉末を浴びながらの演技があり、最後はゆでたまごを口にくわえるシーンで終了。

    白に性的なものを感じました。発生学を研究している夫と妊娠できない妻の関係と微妙な感情を描いた原作が基になっているとのことで、白い粉末は卵の殻を粉々にしたものでした。ちょっと吸い込んだかもしれませんが、骨元気と思って頑張ります。

    『片腕』  原作:川端康成 演出・脚色:ノゾエ征爾

    朗読劇風普通のお芝居。床には白い粉が散乱したままで舞台装置の置き換えが行われました。読み手のメガネに白い粉が付いていて読みづらいという設定から入って連続性を確保しました。

    女性から片腕を借りて帰って家で何やら変なことして楽しみたいと思っている男の話。川端が晩年になって睡眠薬を摂取している時代の作品とのことで、こんな妄想を抱いていたのかもしれません。それにしても腕フェチ、色んなフェチがあるものです。

    『少年』  原作:川端康成 演出・脚色:劉 亮延

    下手側の奈落から突然飛び出した片腕が腕フェチ男の足をつかまえるというショットから入り、またまた繋がっていきました。

    川端が50歳の頃、少年時代の日記や同級生清野とやり取りした手紙を基に構成した作品で、ダンスとくしゃくしゃになった厚手の紙に書かれた原作中の文章をアトランダムに読み殴るという男優さん一人によるパフォーマンスでした。

    赤い文字で書かれた紙と黒い文字で書かれた紙があって、手紙のやり取りらしさを感じました。アフタートークで当時同性愛的感情があったことが分かりましたが、しっちょうさん、しっちょうさん、という言葉が多く、室長さんだとは思うのですが、女郎屋の女郎が最近ご無沙汰の馴染み客に書き送った手紙を読んでいるようで、あまり少年という印象は受けませんでした。

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    2014/04/20 09:57

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