イエドロの落語 其の壱 公演情報 イエロー・ドロップス「イエドロの落語 其の壱 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    粋なふたり
    おぼんろのメンバーでもある
    さひがしジュンペイさんとわかばやしめぐみさんのユニットで、
    そのスタートはおぼんろよりずっと古い。
    落語の有名な演目という明確な元ネタを3つ合わせた構成と、
    濃い色合いの芝居が超個性的。
    二人とも洗練された端正な顔を躊躇なく崩して芝居するところが素晴らしい。
    “始末の唄”最高♪

    ネタバレBOX

    「始末の極意」
    始末=節約の大家に教えを請う者が、
    「扇子の半分を5年使い、次の5年は残りの半分を使えば10年もつ」と言うと
    大家は、「自分は孫子の代まで伝える。扇子を動かさずに顔を動かす」と答える。

    「品川心中」
    品川の女郎お染は、季節の行事にかける金が無いので後輩から馬鹿にされる。
    悔しまぎれに死のうと決め、どうせ死ぬなら心中しようと相手を金蔵に決める。
    純朴な金蔵と一緒に桟橋へ行き、ためらう金蔵を突き落とした時、
    店の若い者が「金が出来た」と知らせに来て止められ、お染は思い直して店へ戻る。
    一方金蔵も、遠浅だったため死にそびれていた…。

    「転宅」
    お妾さんにお金を渡して旦那が帰って行くのを聞きつけ、泥棒が忍び込む。
    ところが鉢合わせした妾のお梅から
    「自分は元泥棒、あの旦那には愛想が尽きたから一緒に逃げて」と誘われる。
    その気になった泥棒は、妻となるお梅に今日の売上(?)を巻き上げられた上
    二階にいる用心棒を怖れて、明日また来る約束をして帰る。
    約束通り泥棒が翌日行ってみると、お梅は引っ越しした後で
    近所中の人が間抜けな泥棒を待ちうけていた。

    3つの古典落語をつないで“お染金蔵”の二人が
    心の隙間を埋めるまでの旅路を辿る。
    この構成にイエドロ独自のエピソードとパフォーマンスを挿入するところが面白い。
    声がもったいないからと、端折ってところどころ発声せずに歌う“始末の唄”が最高!

    また「品川心中」と「転宅」の段では、
    わかばやしめぐみさんが仕掛ける側になって
    あの魅力的な口跡と表情で大いに魅せられた。
    白塗りって一度素顔を隠しているのに、逆に豊かな表情が際立つから不思議だ。
    心中の相手に選ばれてしまった男も、金を巻き上げられる泥棒も
    その人の良さが表情からにじみ出る。
    拍子木の音でメリハリをつけた演出も息がぴたりと合って芝居っぽさ全開。

    江戸っ子の口調を気持ちよく再現して落語好きには大変楽しかった。
    噺家が創る“粋な世界”を芝居仕立てにするのはとても難しいことだ。
    本当に大好きで深く研究し工夫したのだなあと思う。

    両親も私も大ファンだったので、古今亭志ん朝師匠の独演会には何度も行った。
    師匠が亡くなった時「葬儀に行くから会社休む」と言って周囲に説得されたのも懐かしい。

    ひとつ難点は会場の狭さ。
    あのスペースにあの人数、あの椅子、傾斜が無いから難しいのだろうけれど
    やっぱりちょっとキツイなあ。
    末原拓馬さんが細やかに気を使って下さっていたが
    もう少し観る側の快適さも考慮していただけると嬉しい。
    「其の弐」も楽しみにしてるからさ♪
    私の好きな「野ざらし」とかいい女も出て来るし、どうでしょうか?

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    2014/04/12 03:05

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  • さひがしさま

    江戸弁は気風の良い人しか操れない気がします。
    お二人の性格が表れていますね(笑)
    いざという時に「えいっ!」という潔い気持ちから出る言葉。
    だから好きなんだなあ。

    2014/04/12 19:35

    うひゃー!!落語好きでしたかぁ!!それも古今亭志ん朝師匠の!!!生で観たとは羨ましいです。そうでしたかぁ、そのお話またいつか、聞かせてください🎶実は品川心中は志ん朝師匠の音源を聴きまくって作りました🎶江戸弁というか、ニュアンスは、志ん朝師匠のあんな粋に噺が出来たら、まあ、憧れなんですが。落語好きの方が観たら何と言うのか、不安ではありました。コメントをみてホッ🎶でございます。ありがとうございました。

    2014/04/12 03:50

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