Re:verse 公演情報 アヴァンセ プロデュース「Re:verse」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    こ、これは・・・・
    確かに問題作だ~。この舞台上で展開されるように、人が知りたくなかった真実、触れる必要の無かった事実に迫るという行為自体は、報道においても、日常的な会話においても確かに大きなタブーなのだろう。ただ、大きな悲劇に見舞われた後、様々な形で生き残った人間にとって、告発され、認識し、告白するという試練は、これからも生きていくためのステップを踏み出すために、避けては通れないイニシエーションなのだということをこの舞台は教えてくれる。私たちが被災地の報道に対して感じる鬱憤、義憤、モヤモヤ、進まない復興への苛立ちのおおもとは、実はこんなところにあったのだ、とショックを受けた。
    無かったことにはできない判断ミス、ほんの少しの悪意、コントロール不可能な生存本能、人はこれらと向かい合って初めて自分というものを知り、よろめきながらも前へ進める。見つめること、告白すること、それはなんと私たち日本人が普段ないがしろにしている行為であることか。「過ぎてしまったことを言っても仕方がない」「今更そんなことを掘り返してどうする」という文化の中では対応しきれない大きな悲劇もあるのだ。しかしそれは、あまりにも私たちの日常から遠く、理解不可能な感覚だ。毀誉褒貶こそこの作品に対する最高の賛辞だと思います。

    ネタバレBOX

    ミニマムな効果音が効いていました。ああ、これはこうあるべきなのだ、と話の展開にしたがって製作者の意図が伝わってくる。壁に映る、粗い流れ気味の映像は緊迫感と現実感を増幅させ、すごい演出効果があった。演出として素晴らしい完成度の高さだと思います。観劇中ずっと、キリスト教の教会に必ずある、人ひとりがやっとはいれる小さな告白室が脳裏に浮かんでいた。ああ、あれはこういうことだったんだな、とストンと腑に落ちた。告白というのはたった一人に対して為されても、千人に対して為されても同じ苦しさなのだということに。

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    2014/04/04 22:11

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