満足度★★★★
かくも過酷な生存
“生き残る”ということは、かくも過酷なことなのか。
東日本大震災の翌年、再び巨大直下型地震に見舞われた関東地方を舞台に
ひとりの女性ジャーナリストがインタビューを試みる。
家族を喪った被災者を怒り狂わせ、二度目の試練を与えるかのような彼女の質問。
答えるうちにのたうちまわるように乱れていく被災者たちの心情。
緊張感ありまくりの展開となぜそこまで、という疑問が解けるラストが秀逸。
生き残った人々は皆、自分に出来なかったこと、出来たはずのことを探し
自分を“許されざる者”として糾弾し続ける。
それは“助かって良かった”という安堵の感情からは程遠いものだ。