満足度★★
下品さが際立つ『さらに』
ひたすら下ネタが続くナンセンスな物語を癖の強い演技で描く、低俗で酷い内容ながら、台詞の文体や間にセンスが感じられ、最後まで飽きること無く観ることの出来る作品でした。
ある出版社の社長・副社長の兄弟が恨みを持つ者達に襲われるというストーリーですが、全然中身が無くて擬画化されたセックスシーンが何度も繰り返されるだけで、あまりのくだらなさの徹底ぶりに逆に潔さを感じました。
終盤の展開はゾンビ物やアクション物の映画を彷彿とさせる盛り上がりがありましたが、中盤で冴えていた台詞のセンスが弱まってしまっていて残念でした。
映画の台詞を思わせる文体が会話に終始ぎこちなさを感じさせていて印象的でした。他の人が話している時に台詞を被せるタイミングが絶妙で、妙な間が楽しかったです。
素舞台に椅子とテーブルだけで小道具も紙製の安普請な美術と、赤と青の悪趣味な色合いのまま変化の無い照明がチープさを強化していました。