気狂い輪舞曲(ロンド) 公演情報 高襟〜HAIKARA〜「気狂い輪舞曲(ロンド)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    構成にもう少し知的工夫が欲しい
     基本的にはダンスパフォーマンスグループということだろう。圧倒的に女性が多い。今回、2名の男性が、瀟洒なテーブルを前に腰掛けアンニュイな雰囲気を漂わせる深見 章代に飲食のサービスをしている。舞台客席側の緞帳の位置には紗が掛けられ、舞台奥の天井近くからダンサーが舞台に落ちてきては、転がっている。
    (基本的に力はあると思うので、ちょっと厳しい評価をしておくが、指摘に納得したら克服して更に上を目指して欲しい)

    ネタバレBOX

     この後、激しい動きが始まると同時に紗は下ろされ、ダンスパフフォーマンスが始まるが、この時、ダンサーの履いていた赤い靴が、センターを中心にしてシンメトリカルに並べられ、其々、一本の赤い線になっている所がお洒落である。ファロスのような筋を感じないでもないが、寧ろ、ストーリーよりは視覚的パフォーマンスを重視した動きと見た方が正解だろう。面白く感じたのは、ワイングラスに注いだワインを其々のダンサーが一口含んでは、シャンパンクーラーに吐き出すパフォーマンスである。その前に、イタリア語だろうか? の歌が歌われたので、ローマを意図したのであれば、ヴォトミラーを用意して美食に酔ったローマ市民を想起することもできよう。
     話が前後して恐縮だが、このパフォーマンスの前に歌われたシャンソンの歌い手、歌唱力は中々のもの。但し、フランス語をもう少し勉強して欲しい。動詞の語尾が無音になるのは、おかしい。eは、無声化する音ではあるが、その前にある子音は、キチンと発音するので、完全に音が消滅するわけではない。外国人である以上なるべく正確な発音を心がけるべきであろう。
     ワインパフォーマンスのインパクトが強烈だったので、その後のパフォーマンスには余程の強度が無いと、舞台が弛緩してしまう。例えば、マルキ・ド・サドの徹底した論理性を以て舞台を構成すべきであろう。別にパフォーマンスとしてSM的な演し物を演る必要は感じないが。強度を保つ為には、各要素のバランスを知的に配する必要があるのは必然である。
     出演ダンサーが皆踊りを楽しんでいるようであったことは、清々しくて良い。

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    2014/03/29 23:49

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