満足度★★★★
叫んでも暴れても可愛い!若手新劇女優の底力
白い布や石膏のような素材でできた、砂漠、宇宙、銀世界などを想像させる白い抽象舞台。床の中央に空いた丸くて大きい黒い穴が、かなりのインパクトです。白い空間なので照明が映えました。舞台全体を照らす映像演出も時々ありましたが、これ見よがしでないのが良かったです。
大学の同窓生たちがある事故(?)をきっかけに異空間に転送されてしまう荒唐無稽な設定で、現実を軽々と飛躍する短いエピソードが連なっていきます。登場人物のキャラクターがそれぞれに濃くて、女優さんたちは戯画的な役作りをされており、「あんなに可愛いコがこんなことまで!?」という、意外性のある体を張った演技もされます。
私の個人的感覚ですが、こういう作品は雑な印象を与えたり、過剰に下品になって見苦しくなる傾向があると思うんです。でもこの作品では、そういうことは全くありませんでした。とにかく若い女優さんが可愛い!崩れても品がある!そしてセリフが明晰!歴史ある劇団に所属してある程度の年数を経た方々は一味違うなぁと、素直に感心してしまいました。
このお芝居に登場する32歳前後の女性たちは、過酷かつ悲惨な状況に置かれているはずなのですが、場の空気は基本的に明るくコミカル。たまに挿入される心の闇の部分の描写も効果的で、一本調子にならない演出にとても好感を持ちました。ミソジ女性の本音がよどみなく垂れ流されるセリフは、皮肉が利いていて痛快です。でも深刻にはなりすぎず、女性らしい可愛げもありました。選曲も筋が通っていていいムードだったと思います。
豪華な当日パンフレットが無料で配布されました。色んな企業の広告が載っていて、ちょっと驚きました。あれだけ集めた営業努力も凄いと思います。広告を入れることをなるべく避ける団体もありますよね。いわゆる小劇場劇団とは文化が違うのだろうなと思いました。
2014/04/10 02:15
ご来場頂き誠にありがとうございました。
丁寧であたたかいご感想も本当に励みになりました。
これからも精進いたします。
せっかく自分たちで立ち上げた演劇ユニット、これからも色々なことに挑戦していきたいと思います!ありがとうございましたー!!