OLと課長さん 公演情報 関村俊介と川村紗也と浅野千鶴の三人芝居「OLと課長さん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    緩急のしたたかさに驚愕
    おもしろかったなぁ。
    役者たちのいろんな緩急が導き出すものに、
    どっぷりと引き入れられました。

    ネタバレBOX

    比較的少人数での運営をされているみたいで、
    開演前から、OL役のおふたりが庶務を行う如く、制作的な動きもされていて。
    そのふたりを、課長が集めて、さあ仕事という感じで舞台を始めるのも
    手作り感満載でとてもおもしろい。

    で、舞台がはじまると、作り手ならではの空気感がじわっと会場を浸し
    観る側をとりこんでいきます。
    先輩・後輩の二人の会話がとてもナチュラルなトーンで
    どこか軌道を外れていくのがじわっとおかしく、
    でも、その一方で二人の女優が貫くキャラクターがしっかりと組まれぶれがないので、観る側がするっとその世界に閉じ込められてしまう。

    そこに現れた課長が二人に突っ込みをいれていくのですが、
    作り手のいつもの作品にくらべて、その切っ先がちょいと弱い感じがして。
    最初は、あれっとおもったのですが、
    次第に、その弱さの向こうにOL二人の扱いづらさというか、食えなさが、
    醸し出されていくことに驚嘆。
    内々ではどこか噛み合わない二人なのに、課長に対して、ひなが親鳥をみるように見つめる姿の可憐さなども織り込まれ、さらに中間管理職の悲哀さえ感じさせたりも。

    45分ほどの短い尺の、いわゆる駄弁芝居だとは思うのですが、
    気が付けば、ベンチだけの舞台に、
    公園のありふれた風景が浮かび、
    3人の距離や昼休みの時間の肌触りや、キャラクターの実存感やそれぞれに抱く刹那の感覚すらくっきりと残って。

    作り手があひるなんちゃらで描き出すものとは、また一味異なる繊細な太さにしたたかに捉えられました。



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    2014/03/23 10:34

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