虚像の礎 公演情報 TRASHMASTERS「虚像の礎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    我田引水、みたいな
    玉石混交ですが、想像力のある劇作家の力量には敬服いたします。

    ネタバレBOX

    上演時間が2時間20分ということと、客席に入っての作りを見て場面転換は無いと確信しました。後半全ての舞台装置を変えて、前半登場した人物たちの十数年後の姿を描くというパターンは最初は新鮮でしたが、ハマるものとハマらないものがあり、最近は飽きてきていたのでこれで良いと思いました。

    何万人をも動員する演劇ならともかく、100人程度の小屋で打つお芝居ではどんなに感動を与えても、どんなに啓蒙しても、社会に与える影響は小さいとして補助金が打ち切られ、社会貢献ポイントによる評価が低い、即ち年収の低い劇作家ですが、劇作家の強い信念は人を動かし、世界を動かし、世界平和に貢献するという凄い話でした。

    それもそのはず、このお芝居を書いているのは劇作家ですから。ただし、劇作家と言っても玉石混交で、作品作りに行き詰まり、共依存の末にストーカー殺人を犯してしまいそうな人もいました。

    お芝居の中で銃の引き鉄を引くか引かないかを決めるのも劇作家、ストーカーの相手にナイフを突き刺すか刺さないかを決めるのも劇作家、テロによる爆発音らしき音を、大音量で隣人が流し続ける現代音楽と決めつけることができるのも劇作家です。

    究極は、繁栄地域と紛争地域の和平会議の場に立ち会うことになり、世界平和のために貢献することになりました。恐らくノーベル平和賞を受賞して、彼の社会貢献ポイントは一気に高くなるでしょう。

    今回は我田引水的ハッピーエンドでしたが、頭の中のもう一人の劇作家は、義理の兄や本人が射殺され、紛争は泥沼化し、妹はストーカーに殺されることにしようと考えていたに違いありません。

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    2014/03/11 11:03

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