頭が良くなる人狼ゲーム
『人狼ゲーム』は「脳トレ・ブーム」の2005年ごろに流行していれば、茂木健一郎氏あたりが解説本を発行していた ことだろう。
当然、今も その中毒性に取り憑かれた日本人は増殖中であり、これからも それは変わらない。
ただし、『人狼の王子様』やルミネザヨシモト『滑狼』(すべろう)など、派生版も多くなってきたものの、少なくとも前者は さほど評価を得ていない。
これは何を意味するのか。
『人狼ゲーム ライブプレイングシアター』を初回より監修する人物が、渋谷「ドイツゲームスペース@Siibuya」の運営にも携わる児玉健氏である。
5日14時〜公演は彼による10分程度の解説つき だった。
「高度な技といえますね」
「このアピールする力は中々、できること じゃない」
つまり、私が解説から何を分析したかというと、【「人狼ゲーム」は心理テク】である、ということだ。
たった2日間の出演にもかかわらず、「何度も稽古に来てくれた」キャストもいた。
もし、役者が13人揃い、パーティーゲームよろしく「人狼ゲーム」をプレイするだけなら、事前にルールを教えてしまえば それで稽古をする必要もない。
『人狼の王子様』が不興だったのも、「とりあえずイケメンを集めて、人気の『人狼ゲーム』をやろう!」という、パーティーゲーム感覚が理由ではないか。
こうした腰のいれ方の差が、舞台化本家『人狼 ザ ライブプレイングシアター』に他団体を追いつけなくさせている。
5日14時〜公演は「人狼チーム」2匹の勝利だった。
【内訳】
「人狼」
=ダンカン(池永英介)
=エスター(横山可奈子)
=メイソン(石井由多加)
「狂人」
=ソール(ウチクリ内倉)
今回は一日目に人間=デイジー(寺島絵里香)が「人間を絞り込もう」とする提案から始まった。
すると人狼=エスター、人間=キャシー(朝倉怜奈)、人間=ハイラム(澤田拓郎)の計3名が手を上げ、「能力者ではない普通の人間」を主張した。
「このなかに人狼3匹はいないだろう」は議論に参加する13人全員の共通認識であった。
※続く