若手演出家コンクー2013 最終審会  公演情報 一般社団法人 日本演出者協会「若手演出家コンクー2013 最終審会 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「FESTIVAL/ONOBORI ートーホクをヌぐー」
    アフタートークで審査員の一人が秋田出身だと言っていた。

    実を言うと自分の方は東京生まれだけれどじいちゃんが秋田の隣の庄内の殿様の子だかなんだかで、死んだ親父が昔ちょこっと言ってたけど。
    東京にいるけど東北にルーツがある人は非常に多いと思う。
    東京に染まらない東北独自の表現は意外と東京で受け入れられるのではないのか。

    関西で言うところの四国中国みたいに。

    日本海側は鳥取でも石川でもどこでも手工芸が盛んだけれど、
    秋田はとりわけ、土方巽を考えれば分かるように、
    土俗的な身体表現で秀でている。

    自分は特に秋田から次世代の土俗的な表現者が現われるのを待っていた(笑

    内容はと言えば一見凄くバカバカしいモノばかりなのだけれど(笑
    よくよく見れば、多少の秋田フリーク、東北好きを意識する人なら、
    東北、とりわけ秋田の土俗的な身体表現の欠片をあちこちに見出すことは容易なんではないか。

    この舞台のとりわけ素晴らしいところは、審査員の別の一人が言ってたのだけれど、
    子どもにも容易に分かるくらいシンプルで、非常に象徴的な場面が中盤にさりげなく挿入されている所にあるように思う。

    子どもにでもわかる。このことは非常に重要だと思う。
    難しい演出・技巧を凝らしても、子どもに伝わらなければ意味はない。
    今、誰が一番救いを求めているのかと考えれば子供だと思う。

    親たちは子どもたちの不安や恐怖をテレビの刺激で誤魔化したつもりでいる。テレビで人は救われない。

    NHKが社会問題とスポーツ中継にいくら多くの時間を費やしても、
    これだけテレビが普及している国において自殺者は減らない。

    眉間に皺を寄せて偏った報道をし、
    スポーツへの熱狂で疲れを癒したつもりになっても人は救われない。

    テレビで、津波や地震の恐怖を体感し、友達や家族と離ればなれになった子どもを救うことが出来ないのは明らかであるように思う。

    ・・じゃあ、どうするのか、と考えた末の結論がフンドシ・・?

    これ以上素晴らしい演出があるんだろうかと思ったりする。
    知らなかったかな?子どもってお尻好きなんだぜ(笑
    NHKだってフンドシで報道すれば、日本中でどれだけの命が救われるだろうかと思う(苦笑

    スーツでこの世の終わりのような顔をして
    陰惨な事件ばかり報道しても、
    「この世は地獄だ」と子どもたちに訴えているようにしか見えない。

    シェイクスピアだってフンドシで上演すれば幼稚園でだって行ける・・鴨。

    ネタバレBOX

    津波の恐怖におびえる人も、
    それにうるせえと罵声を浴びせ、玉ねぎを投げつける狂ったクッキング・マンも、
    どっちもフンドシ。



    孤独な食事のシーン。

    子どもたちは思うかもしれない。

    これは、人気のない仮設住宅でいつも一人ぼっちで食べる自分の食卓そのものだと。

    と、思ってたら、ついさっきまでブラウン管の向こうみたいに思ってた、舞台の上で暗そうに食事をしていた人(フンドシ)が、
    観客席までやってきて隣の人(not フンドシ)を舞台の上に攫っていった!

    ああ、これはテレビの出来事じゃなくて実際に起きていることなんだ。

    ていうか舞台の上だとフンドシ7:notフンドシ1でフンドシが優勢だ!

    こうしてみるとフンドシ履いてない方が不自然に見える・・こともあるかもしれない。

    そういった中盤からのカタルシス。祭りの原型。



    自分は見ていて、これはきっと子供たちにも楽しんでもらえると確信した。
    とりわけ孤独や不安に苦しむ子供たちに。

    ほんのちょととだけつまらない事を言うなら、下ネタを完全に剥ぎ取り(もちろんそれでは面白さが1/10くらいになってしまうことは承知だが)骨組みの状態で分析し、
    純粋に演出的な手腕・身体性で捉えるなら、その中には子供が楽しめるための仕掛けがぎっしりとあったといえる。どちらかと言うと審査員よりか。

    ・・・つまりは自分の好みということだ(笑

    すべてのジャンプ好きに♨

    こういうのを韓国で上演すべきだと思うんだが・・。

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    2014/03/06 23:09

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