Mr.ブレインの逆襲ですか…
原作は講談社・ヤングマガジン連載『サイコメトラー』。
テレビドラマ化し、視聴率を稼いだというから、すでに舞台化されていなかった方が不思議である。
キャラクターを紹介することなく、いきなり「事件」が発生したため、当初は原作ファンしか展開を追えなかった。
それが「漫画原作」また「アニメ原作」の難しい点だろう。
ただ、観劇後の感想からいえば、ミステリー・ファン全般に勧めたい舞台であった。
こうした「原作もの」には、アクション・シーンが付きものだが、逆に本舞台で これを譲り、心理戦とでもいうべき「緊迫した空間」を観客に与えた。
ジョージ・ルーカス『スターウォーズ』シリーズが世界的ヒットを果たした決め手は、この「心理戦」である。
日本の武士も、「○○国の○○と申す…」と“口上”を終えてから戦う伝統であった。
それは現在も相撲や柔道に受け継がれている、といっても過言ではない。
本作は「心理学者」がキーマンなわけだが、派手なアクション・シーンを削ったぶん、「人」対「人」の「心理戦」が魅力させたのだと思う。
続く