ボクの妻と結婚してください。 公演情報 (株)タイズブリック「ボクの妻と結婚してください。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    いくら芸人ウッチャンとはいえお芝居に無用な映像演出、コントはいらなかったのでは?
    序盤から物語や演技としてはかなり泣かせるものがあったのに、
    お芝居で行くべき所に(金をかけた)TV映像(コント映像や報道映像など)を
    下手に混ぜられて結局TV屋の(TVの人気者達を使った)お芝居か、
    となんだか残念な気持ちになりました。

    でも中盤以降涙腺は壊れまくりのいい
    お話でもあったので☆4つ。
    いいお話だからこそ演出が残念だったかな、と。

    ネタバレBOX

    朴訥(ぼくとつ)というかシャイというか、
    自分から「結婚しよう!」とも言い出せず
    妻に「で、どうするの?」と言われて結婚した
    (式もあげていない)ぐらい押しの弱いTV番組(バラエティ)
    構成作家の旦那(ウッチャン)。


    夫婦として問題もなく子供も中学受験に向けて頑張っている、
    そんな普通の家庭だったが旦那に唯一の悩みが。


    実は自分はガンのステージ4で余命あと3ヶ月だという事が分かった、
    これ自体はもう気持ちとして受け入れられている旦那だったが、
    それを押しの弱さゆえに妻達に言い出せずに困っていた。。。


    構成作家という職業柄もあり、ノートPCに
    考えるべき事を入れておいて眺めたり考えを打ち込んだりと
    そうやって整理して出た結論は、

    「妻に別の男を好きにさせてしまおう、
    そうすれば妻と子は家を出るだろうから
    ガンの事は告げずに済む」

    という奇想天外かつ消極的なものだった。

    計画のタイトルは「ボクの妻と結婚してください」


    で、妻の代わりに婚活を始めちゃう旦那(男なのに男を探しに)。

    そしてこういう事にめっぽう顔が効くという知り合い知多(ちた)を通し、
    ついに理想の亭主(となるべき男)伊東を見つけるが。

    ・ 自分が亭主である事

    ・ 妻子にまだ夫がいる事


    を隠し、

    伊東「子連れでもかまわない、自分はこの人生仕事に専念しすぎて
    家族というものを考えて来なかった、
    今からでも温かい家庭を持ちたいと考えている」
    という言葉に、あとはうまく妻と会わせるだけ、となった時。


    自分に好意を寄せていた女子アナウンサーとの密会(キス)の現場を
    妻に目撃させ、自分は浮気しているという事にして、
    あとは(妻との共通の)知り合いである知多にまかせて
    うまく妻と伊東を会わせよう、と画策するが、
    密会の場面は報道にスクープされていた上、

    女子アナウンサーがTVで
    「全て自分に非がある、構成作家は”妻に悪いからこんな事はできない”と
    断り続けていた」と全ての非を認め、土下座までして謝罪する。


    それをTVで知った妻は、
    「何故こんな事をしたのか?この頃ずっと何か隠しているでしょう!」
    と旦那を問い詰め、
    そしてついに余命があと1月(それだけ長い時間を無駄にしてしまった)、
    という事を明かす事に。


    泣き崩れる妻、作戦は失敗したと諦めた旦那、
    そこに知多から妻への電話が。




    翌日妻は「伊東さんとお見合いします」と宣言。
    騙されていた事に怒っていた伊東の方も、
    「ぜひこの話を進めたい」と。

    そして、なぜかデートには旦那も同行する事、
    というルールを作られ
    旦那、妻、伊東の3人でデートをする事に。


    その間にも刻一刻と近づいていく余命、
    ある日子供と散歩に出た旦那に、
    子供が「僕は女の子になりたいんだ!」とドッキリをしかけ
    びっくりした旦那に「ドッキリ大成功!」の看板を持たせた写真を撮る。


    そして、妻から用意された離婚届けにサインし

    ※ 夫婦は離婚後、半年の間再婚できない

    余命数日にして、旦那は入院する事を認める。


    そして余命最後の日を家で過ごす事にした妻と旦那、

    元の計画であった「ボクの妻と結婚してください」について、
    妻の「ちゃんと物語を完結させなきゃ!」との薦めでノートPCに向かい、

    「奇跡が起こった。」の出だしで
    普通の毎日が本当に幸せで奇跡だった、
    という事を書き残し、亡くなる旦那。




    そして半年後、旦那の遺影を前に
    妻、子、伊東、その他旦那の多くの仲間たちが
    勢揃いし結婚式に臨むが、

    そこで旦那の遺影を子供が昔撮った
    「ドッキリ大成功!」の看板を持った写真に変え、

    妻「これはみんなに頼んで行った壮大なドッキリだったのよ、
    あなたの言う通りになったふりをしようっていう」
    と、離婚した旦那との結婚届けに再びサインする妻。

    という物語。




    ウッチャンの朴訥とした演技やら夫婦の関係やら
    伊東の誠意やら本当にいいお話だったんだけど、

    ・ 去年の紅白でイカ大王がウケたからと無理やり物語に
      関係のないイカ大王ネタを盛り込んで
      せっかくお芝居で作った空気を濁らせたり

    ・ ノートPCで思考を整理する、その内容を上部スクリーンに映す、
      妻や子供が撮影した写真を映す、という所までは
      スクリーンの使い方良かったんだけど、
      自分のやってるバラエティ番組映像(ホリケンさん出演)や
      女子アナがTVで謝罪するシーンなども
      全部豪華映像作って流してしまうなど、
      どうしてお芝居なら舞台上で勝負してくれなかったかなあ

    という所がすごくがっかりでした。
    (周りの観客は喜んでたけど。)


    そういう意味で、悪くないお芝居だけど(TV/芸人依存しすぎているなどの)
    難点があるな、と自分は思ってましたが、
    中盤以降の旦那、妻、伊東の奇妙な三角関係や
    旦那(ウッチャン)や妻の、
    どこにでもあるような普通の家庭の普通の事が
    ほんとに幸せだったんだなあ、
    と思わせる演技/セリフの数々に
    涙腺はかなり崩壊させられました。

    だからいいお話という事で☆は4つなのかなあ、と。


    次回はほんとに「お芝居」で勝負して欲しい、かな。

    PS.原作があるそうですが、このドッキリを旦那の死後に明かす、っていうのは
      どうなんでしょうね。
      ドッキリなら生きてる本人に「騙された!」と思わせてこそだと思ってしまいます。

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    2014/03/01 22:31

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