かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~ 公演情報 アロッタファジャイナ「かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    よかった。
    世にチェーホフ好きは大勢いるようで、誘われるままに「かもめ」は過去二回ほど見ています。
    そのチェーホフ好きたちの誹りを恐れずに言うならば、今回、三度目の正直のアロッタ版「かもめ」が一番感動しました。
    過去二回は寝ちゃったもん。ごめんなさい。って、ここで謝ってもね。

    登場人物は6人でしたが、意外なほど原作に沿った「かもめ」でした。
    私の記憶する限り、主要なセリフはそのままだったと思います。
    トレープレフの友人(?)や使用人などのセリフをメドヴェージェンコに言わせてましたが、それも不自然ではありませんでした。

    5人の中二とたったひとりの大人の物語。よかったです。
    たったひとりの大人が誰かは、ネタバレで。

    今回、Aキャストを観たのですが、今日観て、Bもぜひ観たいと思いました。
    が、いかんせん日にちが・・・
    都合ついたら、土曜の昼に当日券で行きたいと思います。

    ネタバレBOX

    私は、このアロッタ版「かもめ」を見る前から「トレープレフって厨二だわ」と思ってました。(中二でもいいんですが、私的には2ch用語の厨二がしっくりします)
    で、タイトルにあるとおり、トレープレフは当然ながら、ニーナもメドヴェージェンコも、中二でした。
    そしてトリゴーリンまでも中二(笑)
    トリゴーリンが中二病??と首をかしげる人もいるかもしれません。すみません。正しく言うならば、「中二病」ではなく「中二の思春期の少年を髣髴とさせる男」でした。
    過去に見た老獪な成功者トリゴーリンではなく、天然美少女ニーナに出会って、中二に戻ったような愚かな(すみません、女目線でそう見えました)男。
    お母さんにしかられて、いったん大人しくなるものの、また再発しちゃった~みたいな。
    トリゴーリンを成功者のずるい大人ではなく、弱い男と見たのも今回が初めて。興味深かったです。

    で、たった一人の大人(と私が思ったの)は、アルカージナ。
    辻しのぶさんの演じる、女優、母親、女、の傲慢さ身勝手さ、そして哀れさが染みました。私の歳のせいでしょうか、最も感情移入したのは彼女です。

    そして、もうひとり、染みたといえばニーナ役の宇野愛海さん。
    私の知るニーナは、向上心の強い、女優志望の若い女。その生き様には好感もてなかったのですが、宇野ニーナは、まったく違いました。
    ピュア、天然、天使、小悪魔、いやいや、結局まるっと、中二でいいよね。きらめく14才という意味での中二。
    十代半ばの少女の持つ魅力が、ニーナという女性をまったく憎めない存在にしてしまいました。あのニーナが相手なら、トレープレフもトリゴーリンもメロメロだよ~。
    宇野愛海さん、前回の「被告人~裁判記録より~」でも注目しましたが、まだ15才だそうです。
    15才の彼女が、略奪愛の末に出産してその子どもを亡くし、女優の夢も破れて故郷に帰ってきたニーナをどう演じるのかと思いましたが、
    「私はかもめ、いいえ、そうじゃない。私は女優」
    「大切なのは名誉でもなければ成功でもなく、ただ一つ、耐え忍ぶ力なのよ」
    泣きながらニーナの言葉を紡ぎ出す彼女に、こっちも涙が出ました。
    (ちなみに、私の後ろの席の人は号泣)
    私の半分(うそ、三分の一)も人生経験ないのに。愛海、恐ろしい子。←白目で

    全体的にわかりやすく、感情移入もしやすく、かもめの入門版としても秀逸ではないでしょうか。

    ただ、ラストのダンスシーンだけが、腑に落ちませんでした。
    中二を脱し切れなかったトレープレフの妄想ということでよろしいでしょうか。

    2

    2014/02/26 21:40

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  • TOKORO様

    ありがとうございます。ぜひ観てみたいです。仕事が入らなければ。いや、仕事も入らないと困るんだけど。
    Bの役者さんもとても気になります。

    2014/02/27 07:28

    B、随分Aと違ってて楽しめました。

    2014/02/27 00:41

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