成れの果て 公演情報 elePHANTMoon「成れの果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    みんな少しずれていて
    いびつな世界観にどっぷり浸りました。

    ネタバレBOX

    商談がはかどるとは。不動産取引という一応男社会っぽい世界では酒の席で武勇伝的に盛り上がるのか。当時の早代は何人もの男と付き合っていて、その中の一つがたまたまレイプだったんですよと酒の肴にでもなるのか、何とも嘆かわしいことですが、そんな設定でした。

    レイプの生々しさを、たまたま部屋に出たゴキブリがガサガサ動き回る行動で表現し、さらにそれを最低男にやらせた演出は素晴らしいと思いました。

    なぜ妹早代の友人がゲイなのかなとは思いましたが、早代がゲイの友人と一緒に帰省して、その彼氏も早代の実家に集まった状況が、布施野に対する目には目をの大作戦に繋がるとは全く気付きませんでした。そして、受けた側は恐怖心とともに実行側の血走った顔が記憶に残ることを知りました。

    そんな顔の表情について取り上げられていました。血走った怖い顔、見下した顔、軽蔑した顔、空気の読めない厚顔など。布施野の友人で、レイプにも関わっていた今井という男の、それまでは人の良さそうな男だったのが早代を見た途端に何とも嫌なものを見たという感じの表情の変化は見事でした。

    姉あすみの考え方も少しずれていました。そこそこいい男で、過去があるからこの町では彼女はできないだろう、負い目もあるだろう、そんな男だったら逃げて行かないだろうというブスの発想や、布施野が逃げた後でもプライドはあり、中学のときに勉強ができず、いじめられっ子みたいだった男に対しては毛嫌いする感性も強烈でした。

    ラスト、工具箱からスパナでも持って乱入してくるかなと思いましたが、それはありませんでした。

    当日パンフレットに書かれていましたが、作演のマキタカズオミさんは第6回公演を中止させた過去をお持ちで、起死回生で臨んだお芝居が本作の初演だったそうです。このときの経験を、今上演中の作家を扱ったお芝居、劇団競泳水着『許して欲しいの』のアフタートークで話してほしいと一瞬でも思ってしまった私は、空気の読めないあの厚顔無恥な大福娘と同じでした。

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    2014/02/23 23:57

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