燃ゆる 公演情報 ノアノオモチャバコ「燃ゆる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    行動の理由
    「天然の火」を精製して売る村、という設定や、滞在すると必ず火事が起こる男など
    謎の多い設定がミステリアスでとても魅力的。
    もう少し説明があったらもっと面白くなったような気がするが
    ちょっと観客の想像に委ねられる部分が多すぎてミステリーが消化不良なのが残念。
    村人の行動の深い理由が語られたら、
    「天然の火」が”意志を持つ生きている火”である事が強調され
    さらに奥行きが出たのではないかと思う。

    ネタバレBOX

    特産品の「天然の火」を精製する山奥の工場では
    火口岩(かこうがん)を切り出し、中に火種があるかどうかを探して精製する
    という昔からの方法で生産を続けている。
    そこへ人工の火を大量生産する企業から威圧的な提携を持ちかけられ
    工場長はじめ従業員たちは大揺れ。
    一方ふらりとこの村に現われた若い男は「火を集めてしまう」という特殊な体質で
    長く留まると火災が起こるので、各地を転々としていた。
    工場と大手企業の攻防、天然の火の由来、火傷のある女…と謎が深まる中
    工場の心臓部である大窯の火が消えそうになって人々はパニックになる…。

    人工の火を大量生産することでのし上がって来た新興企業の
    超オタク男(生野和人)が狂喜して挙動不審になるほど
    「天然の火」には温かさがあって素晴らしいという。
    便利で安価なだけでない本物の持つ品質と価値を際立たせた演出は面白かった。
    途中炎を表すような身体表現も役者さんたちの集中力が伝わって来て良かったと思う。

    けれど最後まで明らかにされないことがいくつかあり
    そのせいでちょっと置いてきぼり感が残る。
    私がつかみ損ねているのかもしれないが、例えば

    ○「天然の火」と大窯の秘密(誰かが大窯に入らなければいけないの?)
    ○老人と工場や「天然の火」とのかかわり
    ○提携する企業の言いなりにならざるを得ないほど工場が行き詰った理由
    ○工場長の娘が異様なまでに大窯の火にこだわる理由
    ○旅人が感じた臼井の母の思いとはどんなものか

    等が気になってせっかくの熱演が遠くに感じられた。
    もう少し個々の秘密を解り易く見せても、作品の魅力は半減しないと思う。
    ”意志を持つ火”のエピソードが語られるのを今か今かと待っていただけに
    ちょっと残念。



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    2014/02/18 02:54

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