期待度♪♪♪♪♪
『中二病』チェーホフ
私は『中二病』が どんな症例を指すの知らない。
「現実からバーチャルへ逃避する」若い世代をいうのは理解できるが、なぜ、それが『中二』でなければならないか?
演出・松枝佳紀氏は「日本の今」を、2012年公開映画『桐島、部活やめるってよ』に見出す。
私も、この青春群像映画は早稲田大学大隈講堂(!)にて鑑賞したが、なんと、吉田大八監督と原作者・朝井リョウ氏のトークショー付き であった。
朝井氏によると、「大学生時代に、高校の頃を思い出しながら書いた」らしい。
つまり、彼も今現在20代の若い世代だが、自らの高校生活に基づいた“自伝的要素”がある、ということだ。その文体に「日本の今」が描かれないわけ がない。
また、吉田監督は「女子高生の内輪の会話はリアルに撮った。女子高生からみてもリアルだと思もわれる自信がある」と語った。
そう、映画版を担当した吉田監督も、「日本の今」をレンズに抜き取るため、女子高生を研究する日々を送ったのである。
原作者と監督が「日本の今」を志向したとすれば、「口コミ」で同作がロング上映と なった背景は、「青春と一体化」したい大人の本音だろう。
ちなみに、『桐島、部活やめるってよ』には、面識のある お笑い芸人も出演している。
話をアントン・チェーホフ戯曲「かもめ」へ移す。
近年『だるま座』などもチェーホフ・シリーズで上演した作品だが、確かに若い登場人物たちの心境は驚くほど「日本の今」だ。
台詞を、そうした一転突破型のテーマ性のために捧げ、一部変更するという。
なら問おう。
『中二病』って結局のところ、何ですか?