耕太、宙に浮きながら 公演情報 EPOCH MAN〈エポックマン〉「耕太、宙に浮きながら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アイデンティティ不如意
     二人の男が、エレベーターに閉じ込められてしまう話。一人は作業服を着ているが、何の為に、自分が其処にいるのかよく分からない。そしてもう一人はスーツ姿である。

    ネタバレBOX

      閉じ込められてしまった二人は、何故ともなしに話し始め、作業服の男が、記憶を失くしていることもその過程で判明してゆくのだが、実は、この男、地縛霊である。しかも、スーツの男の父なのである。現在、息子は34歳。父が亡くなった時は26歳なので、見た目には、逆に見える。ところで、息子の名は耕太。この物語の主人公だ。そして閉じ込められたエレベーターの設置してあるこの場所は、エレベーター保守・点検などの仕事をしていた父の会社の工場があった場所であり、父は、その保守点検作業中の事故で亡くなっていたのである。耕太は職を転々と変え、今回、工場跡地ビルに入居している企業に就職したのである。母の反対を押し切って。その母も半年前に亡くなった。恐らくは、自分を社会の荒波から守ってくれていた母の死から半年を経て漸く、モラトリアムから脱出すべきだと気付き始めた、余りにも遅い覚醒を迎えた耕太のアイデンティティの不如意を、ビルの途中階で止まってしまって宙吊りのエレベーターという“もの”で表象した作品だ。だが、自分の解釈が当たっていて、34歳にもならなければアイデンティファイできないとは、何と子供っぽい国であることか。この国は!

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    2014/02/08 01:55

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