春の遭難者 公演情報 B.LET’S「春の遭難者」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    彼女たちの態度に
    心の傷の大きさと、心の傷の特殊性を知りました。

    ネタバレBOX

    遭難した男が入って来て助けを求めたときに、雑貨屋の美和に任せて、彼女たちのまさかの想像もできない態度に、性犯罪被害者の心の傷とはこういうものかと心底驚きました。ただ、性犯罪被害者に対する世間の態度が、遭難した男に対する彼女たちの態度に通じるという説明は完全には理解できず、今後も良く考えてみようと思いました。

    由宇が言った本当の敵は女というのも重い言葉でした。そして、由宇が持ち出した鎌を、助ける助けないで揉めて、盆と正月が一度に来たような感じでテンパってしまった美和が取り上げ、今度は男に向かって振り上げた経緯があったことから、その後落ち着いて手から離した鎌を翔子は納屋へ片付けました。

    これは至極当然の行為なのですが、全体を通してのキーアイテムである鎌はテーブルの端に置くとか、美和の手許にあったのを蹴飛ばして部屋の隅の方に放置するとか、その程度に留めておいてほしかったと思います。もし、由宇の見える範囲に鎌があれば、目を覚ました男がお礼に近づき手を握り、その結果パニックを起こした由宇が、男が謝ったことで心を許した実際の結末のように推移したか、あるいは恐怖のあまり、男が何を言おうが鎌でめった刺しにしてしまったか想像の幅が広がり、観客はもっとヒヤヒヤさせられたのではないかと思うからです。

    男とか、男女交際が怖い翔子が、ロックンローラーが酒場で女性の肩を抱いているような柄のTシャツを着ていたのは腑に落ちませんでした。

    女性全員が主役、良かったです。翔子役の光藤依里さんも、最近のTOKYOハンバーグでは際立った役が無かっただけに、重要な役を今回演じられて本当に嬉しく思いました。

    人生の道に迷ったくらいの男だからこそ、もやもや、ふらふらして軽装で山に入って遭難したのでしょう。そんな男で良かったです。みんな少しずつ立ち直るきっかけになりました。ギラギラした体育会系の男だったら、本当に殺していたかもしれませんね。

    自我に目覚めて、由宇と一緒に犯罪被害者を救う活動を始めたという美和には笑ってしまいました。

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    2014/02/06 10:25

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