電磁装甲兵ルルルルルルル 公演情報 あひるなんちゃら「電磁装甲兵ルルルルルルル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ”なんちゃら”な統一感
    その劇団名からも脱力感が伝わって来て素敵だが
    “緊張を強いない”会話でありながら、メリハリがあって面白かった。
    「ル」が7つ並んだ理由はそれだったのかぁ。
    ”ちょっと困った人”ばかり出て来るが、役者陣がその微妙な困り具合を見せて上手い。

    ネタバレBOX

    中央に椅子が2つ、ゴミ箱がひとつというさっぱりした舞台。
    登場したタナカ(根津茂尚)は、しきりに外を気にしている。
    地球の外から侵入してくる敵を討つために作られたロボットの訓練を見ているのだ。
    1,2,3、の3機が合体すれば最強のはずだが、双子のマツナミ兄弟はともかく
    もう一人の“天才アオヤマ”と気が合わないため、3機はうまく合体できない。
    一方何とかしてあのロボットのパイロットになりたいのに、
    清掃係のタナカは毎日アピールするがライバル多すぎてうまくいかない…。

    ある人にとってはどーでもいいことが
    別の人にとっては切実な問題だったりして、そこのズレが可笑しい。
    ただ“ユルイ”会話が続くのではなく、そこに誰かの真剣な気持ちがある。
    会話にメリハリがあるのはそのせいだと思う。
    パイロットになりたい“かわいそうなタナカ”と呼ばれる彼の切なる希望や
    自分たちを見分けて欲しい双子の兄(三瓶大介)と弟(堀靖明)のレクチャー(?)など
    その真剣な気持ちに対して、周囲の無関心と無頓着のギャップが大きいから面白い。

    軽妙な前説でも笑わせた脚本・演出の関村さんは、
    会話の中で“期待した反応とは違う反応が返って来た時の「?」”を取り出して見せる。
    「へ?」というその繊細な間が絶妙。

    双子が声を合わせて“眼鏡は顔の一部です…”と言うところ、良かったなあ!
    息が合っていて、本当の双子みたいだった(笑)
    だいたい片方が太って眼鏡かけてるのに誰も区別できない双子っていう設定が○。
    相変わらず力まずにいられないシチュエーションに置かれる堀さんの台詞が上手い。
    戦隊ものっぽい歌も良かった。
    そろいもそろって“ちょっと困った人”ばっかりなのも良い。
    ひとり普通っぽいタナカがやっぱり可哀そうになるのがリアルだ。

    あひるなんちゃらって、作品だけでなく創ってる人の人柄も観劇環境も
    全てが“なんちゃら”な感じで、統一感ありまくりなのであった。
    その統一感が、劇場に入ってから出るまでもれなくついてくるところが
    楽しくて素晴らしい。

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    2014/02/03 01:52

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