その夏、13月 公演情報 チェリーブロッサムハイスクール「その夏、13月」の観てきた!クチコミとコメント

  • じゅうさんがつじゃないのかー。
    ある人々の13ヶ月に渡る物語。見せ方に仕掛けがあるのですが、それはネタバレになる為にここでは控えます。それがですねー、どうも上手く機能していなかった感じなのです。明らかにそれが理由で、人物の思惑や行動原理が序盤はよく分からない。上演60分を過ぎた頃になると色々な物が繋がり出してぐっと観易くなります。しかし当てもなく待つ約60分間は決して快適ではありません。退席する客の姿もありました。作った側は当初からそのリスクも念頭にあっただろうと思いますので、腹を括って楽日まで遣り切って欲しいです。万が一その辺を曖昧に考えて幕を開けてしまったのだとしたら、今からでも括るしかないですね。
    癖のある演技の役者も多かった中、個人的には波那役の宮本奈津美さんに好感。この方の演技があくどかったら観劇後の後味は確実にもっと悪いものへ変わっていたかと。以下に長ったらしくわーわー記してはいるものの、そんなに後味は悪くなかったのです。

    ネタバレBOX

    taraさんがネタバレBOXに記されている感想がかなり自分と近く、概ねそれに賛同します。以下はその上での私見。
    時系列が逆になるので、結果→経過→理由の順に観ていく事になります。なので序盤は作中人物達の中では盛り上がりを過ぎてやたら切迫しているのだけれど、観ている客席側としては何が起きてるか分からずにポカーンな状態。掴み所がないので何を観ていいのか分かりませんでした。どうにか自分なりに探そうとはしたんですけど。そしてそんな状態のまま、30分くらい過ぎてオープニング。波那の首吊り場面。「ええぇーーー…」でした。汲み取れる感情が何処にもないので単なるポーズで終わっている。劇中での死の扱い方において、個人的に最もタブーな手法でした。ダメだよー、見栄えで人を殺したらいけないよー。同じ様に、実相寺と桃子のキスも。キスさせればそういう2人に見える、という意図のポーズ。逆なんです。「そういう2人が→キスをする」の順番になってくれないと、表面的な視覚情報に終わってしまう。私が演劇で観たいのは、内面です。
    観ている最中は映写される「chapter」が終わりへのカウントダウンに思えていました。それが「物語の終わり」へのカウントダウンであれば良かったものの、実は私には「演目の終わり」になってしまったんですね。正直な話。失礼ながら、「カウントダウンが終わったら帰れるなぁ」と。同時に、裏切って欲しくもあったのです。「chapter.0」まで存在するとか、最後に「chapter.7」になって時間軸の先端をやるとか。終演する正にその瞬間まで何か予想外が起きないかと期待していたものの(予想した予想外という矛盾が発生してしまっていたのですが)、特に何もなく。逆順でやる事だけを目的としてしまったのかと惜しく思います。

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    2008/06/29 18:13

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