ある女の家 公演情報 新国立劇場「ある女の家」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    初日観劇
    時とともにうつろいゆく、そんな「さびしさ」を、感傷とは距離を置いて、ときにはちょっと宇宙を感じさせつつ、あっけらかんと表現してみせちゃう。そんな心憎い75分に感じた。

    シアタートラムでの初演と比べて今回の再演、空間が広くなったことによって、どうしても「カンパニーデラシネらと言えば!」的な構成の緻密さを味わえる席は少なくなっちゃってる反面、広さによって生まれる役者と役者との「距離」がなんとも言えない「儚さ」みたいなモンをより強く感じさせていて、なんかもう素敵だった。
    (このアンサンブルの密度、やっぱり中央ブロックで観たかったなあ・・・っていうのはちょっと置いとくとして)
    (その身体の存在感や強靭さで、空間の広さの中にしっかりと豊かな空間を作り上げていた5人の役者陣は、もうホントお見事としか言いようがない)

    あと今回の再演で何カ所か新しく加わったシーンのおかげで、初演ではつかみ損ねていたこの作品の核みたいな部分にちゃんと触れられた感が結構あったなあ。
    「あー、“時間”ってのが結構大きな鍵なのかも」とか、「あー、最後のバスケットボールのシーンはこういうことなのかも」とか。
    カンパニーデラシネラで小さい劇場での初演→中規模な劇場での再演っていうと『空白に落ちた男』『異邦人』と今回の『ある女の家』で3回目だったと思うけど、「作品の純粋なブラッシュアップ」的に感じられた今まで2作と違って、今回は「空間に合わせて作品が変容する」って面が強く感じられた再演だなあって印象。

    ネタバレBOX

    終盤、「火星」のニュースを読むシーンが、観終わってからじわじわと胸にしみこんでくるなあ。

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    2014/01/23 23:50

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