カウラの班長会議 公演情報 燐光群「カウラの班長会議」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    演出のテンポの良さと舞台上の熱気で、引き込まれた
    今回も、演劇的な面白さの部分、がいいのだ。

    戯曲を書いて演出も行う坂手さんは、やはり凄い。
    矢継ぎ早に作品を生み出し、どれもクオリティが高い。

    ネタバレBOX

    第2次世界大戦中のオーストラリアにあるカウラの捕虜収容所が舞台。
    234名もの犠牲者を出した脱走を描く。

    いつもの、やや青臭いところや説明的なところ、盛り込みすぎなところはあるものの、「日本人」を軸に「男性と女性」「現代と過去」の対比やテーマの描き方が鮮やか。

    実際に起こった出来事と、女学生たちの虚構が入り乱れ始めるあたりが面白い。
    「死にたがる男たち」と「生きさせたい女たち」が、「過去」「現代」という時間の違いだけでなく、もともとの感覚としてそれがあったのではないか、と気づかせる。
    もちろん、それは単に「性」の違いだけでない。

    女学生たちの「歴史への介入(やり直し)」は、「死」へ「直線的」な思考しかない「男たち」への警告でもある。

    しかし、歴史は元には戻らない。
    一度回り出した歯車は止められず、凄惨なる脱走事件へと向かう。
    「死にたがる男たち」には「生きたい女たち」の声はいつも届かないのかもしれない。

    ……この公演は2013年のものだが、2014年に観た、唐組『櫻ふぶき日本の心中』にテーマが少し重なるところがあるな、と思った。

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    2014/01/23 07:38

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