幻夜 公演情報 観覧舎「幻夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    出口を求めよ
     その為にはSence of Wonderを入手すべし。頑張れ、応援している。少し、厳しいことを書くが、検討あれ。一所懸命チャレンジしていると信じる。

    ネタバレBOX

     バタフライ効果など複雑系の発想を借りて来たり、随分ぺダンチックな装いだが、一体何が分かったつもりで居るのだろうか? 幻にしてしまうしかない自分達の不如意を、不如意が何処から来ているのかの追求もせず、居直っているだけのように感じられる。そもそも、複雑系が出て来た背景にあったものは、考えておく必要があったのではあるまいか? 今作の場合はカオスであるが、何れの複雑系であっても、それが系として成り立つ為には、その系が存在し、働く場が最低限仮定されなければならない。例え、思考主体がカオスの真央に在ったにしても、そして、手持ちの材料が、産まれては滅する不安定な何者かであったにしても、それらの変化が生じるに当たってその要素が認識される以上、存在を仮定してみるのが本筋、また変化する以上は、時間を仮定しなければならない。その上、時空が認識できるとすれば、それが、作動する場を措定しなければならないのは当然である。然るに、今作に於いては場の問題が総て捨象されているのだ。多少とも理屈でゆくなら、この程度のことは、フォローしてしかるべきである。而も、この点に経験など一切必要ない。必要なのは、物理と数学である。この点を押さえずに書かれたシナリオと観た。
     結果は、手垢に塗れた常套手段、夢に逃げ込んで居直っただけの陳腐な作品と言わざるを得ない。もし、上記に指摘した総ての事をした上でなら、内容はもう少し違ったハズである。そしてそのような作品を提出していたのであれば、オーソドックスな形の傑作を2~3作既にものしていなくても、アンチテアトルの作品の可能性を否定できなかったに違いない。自分が良く咀嚼したものを素材に使うことも必要である。無論、どんどん、新しいことにチャレンジし続けることは必要だが、出し方に気をつけられたい。

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    2014/01/12 03:05

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