妄想が膨らみました
大作ではないが、観客の足取りを軽くしたことは間違いない。 素朴であり、好感は持てる。
最近、数年ぶりの実家帰郷を果たす長男を描く舞台だと、なぜか、「女に なってた!」変貌が占めないか。それも、続きは「ねえ、どうなってるの?」だ。
しかし、本舞台は、長男が友人だか彼女だか解らない「ギャルを連れてくる」設定である。新鮮だ…。
『おおたけ産業』は、旗揚げしたばかりの劇団だが、方向性はみえてきたように思う。つまり、「多くの観客の足を軽くする」万人受けるする作風。
そうしたなか、社会派が あったとすれば、地方ー都市関係だろう。キーワードは「ギャル農」
髪を金色に染め、ピンクのジャージを着て、ネイル柄はスヌーピーである。このような女性達が田に潜り、稲を収穫する姿は、さながら新しい観光名所だ。
ただ、日本の平均的な農家を思い浮かべても結局、ヨボヨボお爺さん である。農林水産省によると、2013年段階で平均年齢は65歳を超えており、こちらも国際感覚からすれば 医系の教授が訪れるべき田園地帯だろう。
仮に、この共同体を守ることが村の民意なら、汚ギャルだろうが、農林業に貢献してくれるなら招き入れるしかない。その社会派で捉えると、保守的な母親を除き「歓迎ムードが拡がった」実家も、これからの時代を一歩先ゆく反応であった。