満足度★★★
チャイコフスキー3大バレエ
チャイコフスキーの3大バレエをパ・ド・ドゥだけでなく舞台美術付きで1幕毎に上演する公演で、作品毎に異なるダンサーがメインを踊るのを比較しながら観ることが出来て楽しめました。
『くるみ割り人形 第2幕』
『アラビアの踊り』の男性(何故かキャスト表から抜け落ちていて名前が分かりませんでした)の中性的な色気が魅力的でした。『ロシアの踊り』は本場のステップなのか、普段見る動きと雰囲気が異なっていて興味深かったです。
クララを踊ったオリガ・ゴリッツァさんが体の芯がぶれず、動きの止め方が美しかったです。デュオや群舞等、複数で同じ振付を踊ると意外とバラバラで精密さがなかったもののダイナミックさを感じました。
『白鳥の湖 第1幕2場』
アンサンブルによる白鳥達の群舞は綺麗に揃っていて美しかったです。4人で踊る2曲も動きや形は合っていたものの立ち位置の間隔がアンバランスになりがちだったのが残念でした。
オデットを踊ったナタリア・マツァークさんは細かい表現が印象的で、連続ターンの時は抑え目でしたがそのことによって気品が感じられました。オディールとの演じ分けをどう表現するかも観たかったです。
『眠りの森の美女 第3幕』
オーロラ姫を踊ったエレーナ・フィリピワさんが技術的にも表現的にも充実していて素晴らしかったです。白い猫を踊ったカテリーナ・タラソワさんがコケティッシュで魅力的でした。
人数が少なかったせいか、最後のマズルカにあまり盛り上がりが感じられず、中途半端だったのがもどかしかったです。
平面的な書き割りの舞台美術でしたが安っぽくなく見栄えのするもので美しかったです。
オーケストラ(ウクライナ国立歌劇場管弦楽団)は所々にミスがあったものの、ロシアのオーケストラならではの響きがしていて、チャイコフスキーの音楽に合っていました。