「て」 公演情報 ハイバイ「「て」」の観てきた!クチコミとコメント

  • た・ち・つ・「 」・と。
    この演目の名前は「て」。一文字だ。今後はどんな文章であろうとこの「て」という文字を見付ければ、この演目を連想してしまいかねない。嫌ではないです。むしろ連想して思い出す度にちょっとハッピーになれる気がする。
    ボケの進行したおばあちゃんが結局寿命で他界。家族揃ってお葬式をしなくては。こんな時にしか全員集合しない家族です。だってあんな奴と一緒にいられるか。そこに存在する軋轢と拒絶とちょっとした思い違い。と、確信的な嫌悪感。そんな話。
    インパクトより、明らかなピンポイント。上手いトコばっかり付いてくる。手先の器用な仕事振りに思える点では、これこそが日本人ならではの作風に成り得るのかもしれない。

    ネタバレBOX

    不条理や無秩序を思わせた序盤。絶対に何かに繋がるのだろうと思っていたら、折り返しから別人物の視点で再度描かれていきました。立場が変われば真実は変わる。あんなに嫌な人に思えていたあの人が、今度はなんて情に厚いのかと思い改めさせられる。それどころか両面を知った分、その人物に深みを見出す。血族だろうと家族だろうと別人。何もかもが同じ様に見えたり全てにおいて共感するには至らない。その違いが袂を分かち、人はそれぞれに異なる信念に行き着く。全く違う色で二度目の線引きをしていったかの様な後半。パズルが次々とはまっていく。「そうか、この人にとってはこうだったのか…」と確かめていく中、なんで葬儀屋が来るトコだけは更にダメダメになってんだ!(笑)あそこは二度繰り返す必要がないけど面白いからもう一回やるんじゃないかと思ったものの、まさかああ来るとは。笑ったなー。
    PPTは通子のモデルになって正にそのお名前である、岩井さんのお母様!そんな場へと息子さんに引っ張り出されるのも既に3回目らしく、堂々としたトークをされていました(笑)。
    終演後にスタッフの方が客席へとアナウンス。『こちらとっても可愛らしいマトリョーシカの刺繍が入ったハンカチ…』。物販の宣伝かなと思いました。空気的に周りの方々も同じ様に捉えた様子でした。でも続いた言葉は『落とされた方はいらっしゃいませんか?』。あ、落し物なの!?客席のあちこちからこぼれた笑い。愉快なスタッフさんでした。

    0

    2008/06/23 00:47

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大