空飛ぶ☆コメディキャラバン 公演情報 to R mansion「空飛ぶ☆コメディキャラバン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 「非日常」を、演劇的ストーリー性とコメディで造る


    このコメディ•キャラバン公演(MIX版)は、エンターテイナー二組が、前半と後半に別れ、観客へパフォーマンスを披露するものだ。大道芸人が1時間、耐久できるはずがない。路上とは違う、演劇的ストーリー性を備えていなければ、客層(舞台通+ファミリー)からしても、「飽きる」ことは 間違いない。つまり、路上や駅前広場を占拠する多くの大道芸人とは、全く違う「素養」がなければならない。


    エンターテイナーといえば、日本国内で最も著名なのが、「が〜まるちょば」だろう。その名の由来は、グルジア語の「こんにちは!」らしい。彼等が遠征公演先に選んだグルジア共和国を訪れた際、現地の子供とコミュニケーションを取れないながらも、身振り手振り …そして、「が〜まるちょば!」の一言により、真の「友人」になることができたという。この海外体験が、ユニット名を生んだ経緯だ。

    2012年9月27日「が〜まるちょば」は、明治大学リバティホール(御茶ノ水)にて、公開講義を行った。タイトルは『GAMARJOBAT SILENT and TALK -が~まるちょばサイレントコミディーの世界』。二部では、明治大学文学部の中野正昭教授と、ユニットが結成されるまでの軌跡や、日本におけるサイレント•コメディ•パフォーマンスの現状を話し合った。私も拝聴している。
    その会場で何度も語ったのは、(コメディ•パフォーマンスの他)「ストーリー性のある長編演劇に力を入れていく」目指すべき方向だった。例えば、彼等は『あしたのジョー』風のボクシング•ドラマを、サイレント•パフォーマンスのみで、構成する。これは、大道芸人が小刻みに技を決める「一過性の連続」とは、対極のジャンルだ。世界各国で、パフォーマーが喝采の対象となるためには、劇場空間を、1時間を耐久しえる、「演劇的ストーリー性」は絶対条件だろう。


    大道芸人は日本から消滅してしまえばいい。市民生活の害である。しかし、本公演、後半出演したパフォーマンス ユニット『to R mansion』は、たった 一本の赤いゴム糸を操り、見事な、スタイリッシュ極まりない舞台をみせてくれた。感動すら覚える。コメディを忘れず、しかも、本場ロンドンをモチーフとした、「統一した世界観」を提示してくれる。たった一本の赤い糸が、固定される空間を、流動的なものとして作り替える。ヨーロッパの城が内側へ迫り来る動きだ。これは、ぜひ、一度 観なければならない光景である。その意味では、コメディ•キャラバンに出演したエンターテイナーは、私は大道芸人ではないのだろうと思う。「が〜まるちょば」に並ぶ、日本を(これから)代表するかもしれない、純正パフォーマーだ。









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    2013/12/27 00:47

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