満足度★★★★
「gate#11」観ました
gateは、京都で行われている試演会。
私は、名古屋では「C.T.T試演会」をよく観に行っています。終演後には合評会を行い、観客から感想・意見を頂いてその後の創作に役立てるというもの。
今回は、よそ様に足を運んでの試演会鑑賞。鳥公演と辻企画は、芸劇eyesやC.T.Tで観ました。したためは初見。
鳥公園 『女生徒』
(原作:太宰治 構成・演出:西尾佳織 出演 森すみれ)
影絵と自然体身体の淡々としたフラットさの向こうに、言いたいことを言えない女性の押し込めた感情。
壁に映された四角いシンプルな光。そこを人が出入りすることで、違う位相(本、PC画面、自室等)が重なったり移動したりして見える。
映像を多用する劇団でも、意外と見ない使い方。
したため 『ひび』
(演出・構成:和田ながら 出演:飯坂美鶴妃 出村弘美)
言葉でのあまりに入念な概念確認が、聞かれた相手へ不安を感染拡大。もうすこしねちっこく工夫すると、オイスターズ・平塚さんチックな言語感覚にw
聞かれた相手が、なぜ逃げたり無視したりせずに答えるか、その動機付けがほしい。
辻企画 『もしもし、生まれる前ですか。』
(作・演出:司辻有香 出演:浅田麻衣 黒木夏海 前田愛美 タイトル協力力・台詞協力:前田愛美)
「生まれる前の声」という概念に着目。
さて、この声が聞こえたのは、自分が死ぬ時か中絶しようとした時か。観ながら積極的に解釈したくなる。
自分と自我との違い。アフタートークで、最も考えさせられた。
全体として、完成度は鳥公演が抜けていましたが、したためや辻企画は、かなり概念的な実験をしていたように感じました。普通に演劇を観たい人には不満があったかも。
せっかくの試演会なので、交流会だけでなく、もっと積極的に観た人の意見を聞くシステムがあってもいいと思いました。
(合評会があるC.T.Tでも、まだ工夫の余地があるくらい)
試演会を、ショーケースと見るか交流の場とするか出演団体・制作・観客の共同創造の場と取るか、また、観客の立場の違いによっても、受け止め方がずいぶん変わるかと思いますので、そのスタンスをはっきりさせてみてはどうでしょうか?(初見なので普段どうなのかは分かりませんが)
…とかなんとか言いながら、しっかり交流してきました~ヽ(´∀`)ノ
特にディレクターの方、私が昨年出演した愛知芸文20周年記念「金の文化祭」(構成・演出:杉原邦生)にも来ていただいたそうで、私のやった応援団やC-3POもバッチシ観られてたわ~(汗)
お互いわざわざ相手のテリトリーへ足を運んで出会うのが、演劇交流の醍醐味ですね♪