満足度★★★★★
逃げない
天皇という運命から最後まで「逃げなかった」大正天皇、彼を支える皇后節子、そして有栖川宮はじめとする周りの人々に、大いに泣かされ、考えさせられました。
登場人物全員に芯があり揺らぎがないので、全ての人物に好感をもてました。どの立場もとてもよくわかる。脚本素晴らしいです。
描かれる三代の天皇が事実とは思わない(そう思わせそうなところには恐れも感じる)けれど、フィクションして『天皇とは何か』を見る者に問いかける優れた芝居だったと思います。
また、ひとりの人間として『いかに生きるか』ということにも答え(suggestion?)をもらった気がします。
西尾さんは「熱狂」の時からファンですが、今回も、とてもとても良かったです。(言葉が見つかりません)
そして、他の役者の皆さんも、みんな「その役そのもの」に見えました。
明治天皇も、昭和天皇も、大隈重信も。
中でも松本紀保さん演じる皇后節子の品格と優美さ、皇室の女性そのものでした。声、表情、立ち姿、全てが洗練されていました。紅一点、芝居の要。
上手く言えないのですが、心うたれました。感動しました。
良いお芝居をありがとうございます。