新説・とりかへばや物語 公演情報 カムヰヤッセン「新説・とりかへばや物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    問いかけのある
    男・女の役割を入れ替えるという話をめぐって、
    社会にある制度や構造のことを考えさせられた。

    正直に言えば、作品としてはそれほど惹き込まれなかったが、
    やはり、問いかけのある作品(作風)は素晴らしいと思う。

    ネタバレBOX

    男・女を取り替えるという『とりかへばや物語』を、
    それを語る噺家の物語へと書き換えている。

    更にこの『新説』では、
    古くは噺家は女性だけの世界だったという仮説をつくることで、
    現在にも続いている男性中心の噺家の世界と、その構造を「とりかへ」て物語を展開させている。
    (ある意味では『家畜人ヤプー』のような反転)

    そこから見えてくるのは、男・女という性によって別けられている制度のことなど。社会全体の構造についても考えさせられた。

    ただ、物語としてはそれほど惹き込まれなかった。
    それでも、このような問いかけを持った作品は素晴らしいと思う。

    私がカムヰヤッセンの作品を観るのは3作目。
    3作とも、観客に対して(時代に対して)の問いかけのある作品で、とても素晴らしいと思っている。

    この作品の中でも、
    噺家が「語るべき物語とは何か」「意味のある物語とは何か」というようなテーマが何度か出てきていたが、それに対して私は、観客に対して、時代に対して、「問いかけのあるもの」こそが、優れた作品の条件だと思っている。
    (「メッセージ」ではなく、「問いかけ」。)

    それがある作家の作品を観たいと思っているので、カムヰヤッセンの活動に注目している。

    0

    2013/12/15 16:27

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大