ザ・ランド・オブ・レインボウズ 公演情報 天才劇団バカバッカ「ザ・ランド・オブ・レインボウズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ハマると面白い劇団なのかも
    バカバッカさん、初めて観てきました。
    「コメディ」という事だったのですが、
    (毎回こうなのかは不明ですが)お芝居というより
    ミュージカル、パフォーマーのパフォーマンスなどを
    中心に楽しむタイプの舞台のようです。

    今日の観劇では自分はやはり「物語」の部分に
    目がいってしまい、周りの観客同様に
    「単純に面白い事を笑う」という事が出来ませんでした。

    きっとこの流儀に慣れる
    (というか深く考えるより目の前で
    起きるものを観たままに感じられたら)
    きっと爆笑してしまうような舞台だったと思います。

    「お客様を喜ばせたい!」という意志は、
    舞台からも、観劇後のパフォーマンスショー、
    トークショーなどからもひしひしと伝わってきました。

    もう10数公演やられているとの事ですが、
    今後が期待できる劇団だと思いました。

    ネタバレBOX

    最初、
    ・ 全席自由=少しでもいい席で観たいなら早めに行って
      並ぶ必要がある、と考えていたのですが、
      開場は開演30分前、
      では何時頃行って並べばいいのだろう?とよく分からず、
      結局1時間前に六行会ホールへ行きました。

      六行会ホールは舞台と別に広いスペースがある為、
      そこで待たせてもらえたら寒くなくていいなあ、
      と思ったのですが門は固く閉ざされていて(スタッフのチェックもなく?)、
      10人程度が30分以上夕闇の中外で並んでいました
      (多分早い人は更に30分以上?)。

    ・ 開場し、席についてからもスターウォーズその他の
      音楽が流れるだけで(地下は電波も届かずスマホをいじる事すらできず
      かなり暇を持て余す)、開演時間18:00になってもブザーが
      「ブー!」っと鳴っただけで前説諸注意や開演遅延の説明もなし、
      更に時間後に遅れて来る観客も結構多く(毎回時間にルーズな劇団という事?)
      18:00開演から10分以上待ってやっと再度ブザーが鳴っての開演でした。
      (多分予約客全員来るのを待っていた?)

    そういう部分からも、ちょっと対応(というか要領)の悪い劇団なのかな?
    というイメージがありました。

    ただ、2名客が「並んで座れる席はありませんか?」など
    係の方に質問すると、別の観客にお願いして席をずらしてもらうなど
    係の方の対応は悪いものではありませんでした。




    【物語】
    ある映画監督(脚本家?)が
    「虹のなんとか(すいません、映画タイトル忘れました)」
    という映画の始まりと終わりだけを決めていたが、
    映画づくりに欠かせないプロデューサー
    (スポンサーから役者から色々なスタッフまでを調達、
    管理して映画づくりをサポートしてくれる重要な役割)
    がいなくなった事からこの映画を実際制作する事は出来ず、
    その夢をまだ子供だった孫とその友人に託しました。

    そして彼らは大人になり、
    1人はプロデューサー(孫、主役)、1人は脚本家、
    1人は監督、1人はカメラマン・・・というように
    それぞれ映画づくりに関わる役割に付き、
    会社を起こして何本かの映画(ドラマ?)などを制作しました。


    そして、今回ついに
    (「虹のなんとか」の配役上欠かせない黒人役者として)
    ウィルスミスへのオファーに成功した事から
    スポンサー数社が付いて「虹のなんとか」を制作する事になりました。

    しかし、ウィルスミスは息子の腱鞘炎(ゲームのやり過ぎ)により
    結局キャンセル(その上、契約条項に本人またはその家族の健康上の理由による
    キャンセルの場合、報酬の支払いは無効にならない、
    というものがあり、6000万円もの出費をおってしまいます)、
    スポンサー達もそれでは、と離れだし、映画製作が難航しだします。

    ・ ウィルスミスの代役探し

    ・ スポンサーになんとか取り入りお金を出してもらう
      (その代わり、映画脚本についてスポンサーの無理な要求を聞くハメに)

    ・ 各スタッフとそれに関わる人達も好き勝手に動き出す

    して、プロデューサーである孫の目指した
    「虹のなんとか」からは大きくかけ離れたものの
    制作が進んでいってしまい、そして・・・

    というお話。




    これを、
    ・ 大人数でのドタバタ劇

    ・ 歌と踊りのミュージカル
      (ヒップホップその他を取り入れた新鮮な形のものが多々)

    ・ パフォーマーのパフォーマンス
      (ダンサーのダンスやバスケットボールパフォーマーのパフォーマンスなど)

    ・ 物語(お芝居)

    など組み合わせて進行させていくのですが、
    とにかく物語以外の部分の比率が高く、笑えるのですが、
    物語の深みが思った以上に出ない展開に思えました。

    冒頭から「キャストが多くて覚えられないと思うけど~」という
    歌/ミュージカルダンス、を何度か繰り返していたのですが、

    その言葉通り、中心人物である映画制作担当すら
    その個性が全部よく分からないままに物語が進んでいきました。
    (ドタバタ劇のパートでも説明は続いていたのですが、
    その辺なにぶんにも人数が多い上、それぞれがバラバラに
    動きセリフを言う場面が多くて集中して把握する事が
    できませんでした。)

      ミュージカル部分が大人数なのは迫力が増して良いと思うのですが、
      セリフを聴いて理解しなければならない物語のパートでも
      大人数である事があり、これには
      「目と耳と理解が」ついていけませんでした。

      もっと物語のメインと脇を固める役者陣とを分けて
      構成したら良かったのかな、とも思います。
      全員に名前や役割があるのはいいですが、
      それをあの流れの中ですべて覚えるのは難しいです。
      (メインには個性を、脇はミュージカルなどの場面以外では
      あまり個性を表に出さないようにするなど。)

      あと、理解しにくさの一因となっているのはテンポの
      早さのせいなのかも知れません。
      映画制作陣の物語があって、ミュージカルがあって、
      その次には脚本家が悪女につきまとわれている、
      など(すいません、順は覚えてませんが)。
      これでは、脚本家も悪女もその背景がよく分からず
      個性も設定も薄すぎます。  
      もう少しお話の流れの部分をゆっくりと丁寧に
      説明していっても良かったかと思います。


    周りのお客様はバカバッカさん自体慣れているのか、
    単に笑いのツボにハマったのか爆笑していましたが、
    自分はせっかくの「良い物語」を提示されていながら
    それがちっとも深堀りされていかない事が残念でなりませんでした。


    結局、ミュージカルやパフォーマンスなど光るものは
    多々ありながらも(自分は)お芝居としては楽しめませんでした。


    ・ (自分の思った良かった所)
      冒頭の記者会見で、目の前の出来事に集中しようと
      していたら自分たちの席より後ろから色々な声がかかり、
      そこからも演者達が登場してくる、というシーンは
      「記者会見」という場面の表現に
      会場/観客自体をまきこむ「うまいやり方だな」と思いました。




    この日は特別コーナーとして観劇後にこの劇に関わる
    パフォーマーの方々のパフォーマンスを披露し、
    その上でトークショーを行う、との事でした。

    ・ ボイスパーカッション日本一のボイパ演奏
      (以降のダンスなどもずっとBGMとしてボイパ演奏し続けてくれました)

    ・ ジャイアンの人のラップ

    ・ ダンサー2人のそれぞれのダンス

    ・ バスケットボールパフォーマーのボールテクニック
      サッカーボールのパフォーマーは観た事があったのですが、
      バスケットボールもすごいですね、
      フリスクの角でボールを回したり、
      ペットボトルのキャップを回るボールで開けたりと

    などについては、お芝居とはまったく別に
    心ゆくまで楽しませてもらいました。


    劇団の色として(最初の悪かったイメージは)
    お芝居の時点からすでに払拭されていて、
    「とにかく観客を喜ばせたい!」という意識の強い
    劇団なのだな、と思います。

    そういう意味で、あと何公演か通ったら
    自分もファンになっているかも知れません。

    バカバッカさん自体も、「物語」よりも
    「観て、笑ってほしい」という考えなのかも知れません。
    (毎公演、変わったパフォーマーの方を必ず
    劇に組み込んでいるそうですし)

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    2013/12/14 23:51

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