ホテル・アムール 公演情報 ナカゴー「ホテル・アムール」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    きもちわるい
     すさまじかった。

     いや、良かったのだけれど、必ずしも大好きとは言えない。

     墨井鯨子さんがもう、ほんとうによかった。

    ネタバレBOX



     以下備忘録的に。


     最近「頭がおかしい」芝居ばかり見ていて、けっこうお腹いっぱい感あるのですが、頭がおかしい芝居は大好きだけれど、それだけではやっぱり物足りないなあと感じてしまう。「正常」と「異常」の境界線こそが最も演劇的だと僕は思っているので、「異常」に振り切った世界の物語だとそれに終始している印象を受けてしまう。少なくとも僕は、今回のナカゴーは完全に異常な世界として受け取りました。


     観客である僕は、わけわからないお芝居に出会うことで、他者に出会えるんですが、舞台上の登場人物たちは他者には出会わない。特に今回、痴話げんかということだったのもあって。痴話げんかっていうのは、お互いがお互いのこと愛している、ということを確かめあうためにするケンカであって、それは仲直りをすることが前提となっている。作中で男が「洗脳」にも似た手法で女を丸めこんで、仲直りにいたるけれど、それがまさに痴話げんかの本質。男は「洗脳」し、女は「洗脳」されるのを待っている。そのために喧嘩する。私を洗脳してよ、というわけである。僕があんまり今回入りこめなかったのは、こう言う関係性が好きじゃないっていうのもあるなあと思いました。

     痴話げんか、嫌いなんです。本人たちでやってるぶんには構わないですけど。でもなんか、結論見えてる議論というか、オチのみえてるコントというか。出来レース感。不毛ですよね。でもそういうお芝居ですもんね。人死んだりしてるし、暴力的だし、でもそれも全部ふたりが愛しあうためですもの!みたいな。きもちわるいですね。人間って。


     という備忘録でした。


     お芝居自体はおもしろかったです。ほんとうに。

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    2013/12/10 11:20

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