National Theatre Radu Stanca  ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場(ルーマニア)「NORA ノーラ」 公演情報 特定非営利活動法人舞台21「National Theatre Radu Stanca  ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場(ルーマニア)「NORA ノーラ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    天使×2
    kids' perspective?

    ミニマリストの美、省略あるいは誇張。

    ・・これは、誰から見た世界なのか?

    カリガリ博士を思わせる、前世紀前半の表現主義を思わせる誇張されたパースペクティブ。それはしかし狂ってない。

    物語には天使がふたり、登場する。


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    エミーリア・ガロッティよりメイジーの瞳って映画の方が似てるかも知らん。映画はまだ観てないけど(苦笑

    ネタバレBOX

    ひとりは、人形の家の娘、女の子の姿をしている。あるいは女の子そのものである。白い服を着る。

    そしてもう一人は、堕天使のように穴の開いた黒衣に身を包んだ医師の男。

    ふたりはけっして報われない。

    自分勝手な大人、あるいは狡猾な人妻に翻弄される♨

    男は、やがて天に召される。

    まるで、自分の運命がズタズタになって身が滅びるのを楽しんでいるようでもある。

    パンクじみた衣装がそれを象徴しているようでもある。

    堕天使と仲良しの、天使のような少女はしかし、すべてを見通すようでもある。

    少女は、母親に言う。「すべての人間は、孤独なのよ」と。

    人間はどこから来て、どこに行くのか?

    もし、天のようなところから魂が来て、子供に宿るのだとしたら、天国に近しいのは、より小さな子供かもしれない。あるいは死を目前にして悟る者。


    この物語は、二人の天使の視点を通じて、人形(=人間)たちの踊るダンスを神にささげた供物なのかもしれない。

    舞台上で一番狂った操り人形じみた動きをする、クログスタ役の俳優の演技がとりわけ印象に残った。

    経済と言う名の糸に引かれて、首を傾けながら・・・壊れた人形のように、亡霊のように、陰気にノーラを脅迫するくすんだ色のスーツを着こなす男。

    ただ彼はやがて、未亡人の愛を得ることによって生気を取り戻す(笑

    洗練、ロック、パンク。

    音楽と天使とが、世界の果ての人形の家で交叉する。



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    ちなみに会場内で「これはさいたまのエミーリア・ガロッティだよ」
    という声が聞こえましたが、
    自分も観ましたが、作品としては全く別かと・・
    それを言ったら、神戸の維新派とかも・・?・・念のため(苦笑

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    2013/12/05 23:16

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