トリコロールバッドエンド 公演情報 劇団MAHOROBA+α「トリコロールバッドエンド」の観てきた!クチコミとコメント

  • その終末に、光はあるかー。
    Aキャストを観劇。
    開演直前の前説で、開演を遅らせることを理由説明とともに謝罪なさったのは大変好印象。
    ただ、スタッフさんがダメです。役者が舞台上で前説してる最中に「お手洗いご案内お願いします!」とか大声で言ってたらいけません。スタッフは役者の邪魔しちゃダメ。支えないと。
    予約席なら、入口から入って見える方向に「予約席」と張っておかないと。どれだけの人が座ろうとしたことか。

    さて、本編。
    ほとんどが暗闇の中で進む、三本立て短編集。
    「-白-見知らぬ、花」は明るい場面が多いが、その他の作品は灯りがほとんどない。あったとしても、ぼんやり見える程度。
    暗所恐怖症の方は観劇できません。

    脚本や試みは大変興味深い。
    しかし、役者陣も脚本も演出も、改善の余地あり、といった印象。
    ほとんど見えないので、観客は想像力をもって見ることになる。そしてそれを促すかのように、劇中、様々なことが断定されることはない。

    三編それぞれが、バッドエンドであり、ハッピーエンド。
    それは作品をどのキャラクター視点で見るかによって変わる。観客がどう捉えるか、それも観客に委ねられる。
    私は全体的にバッドエンドと捉えた。

    こういった分野の観劇は初めてだ。
    見終わった後も、不思議な感覚に包まれたままだ。
    喜怒哀楽とか、そんな単純な感情ではない。
    好きな人は、すごく好きな作風なのではないだろうか。

    私の結論としては、
             赤→光なし
             白→光あり
             青→光あり かな。

    ネタバレBOX

    『-赤-レスラーの墓』
    一言で表すと「世にも奇妙な物語」風(と私は捉えた)。
    これ、何か無限ループしそう。
    男の「選ぶときは小指を選ぶんだよ、生まれる時は後から生まれるんだよ。」が印象的。
    いきなりナニが終わった後、というのは驚いたが、暗闇というのが自然に受け入れられる。
    そして、それが続くことで「暗闇」で進む物語ということが理解できる。
    「いたい」と「したい」の言葉遊びには笑うしかない。

    『-白-見知らぬ、花』
    彼女は蜘蛛なのか、花なのか。途中、「あれ、蜘蛛だったよな?」ってなる。
    青年とその想い人にとってはハッピーエンド、蜘蛛から見たらバッドエンド。ものすごーくバッドエンド。
    青年が「蜘蛛は嫌いじゃないよ、大嫌い。」と去っていったラストは「えぇ!?」ってなった。

    『-青-クドリャフカ』
    これは光ある結末。それは人間に都合の良い解釈かもしれませんが…。
    犬の言葉を幼い無垢な子どもの言葉にすることで、より残酷さを増す。
    私は三編の中ではこれが一番好きだ。
    「お前は優秀じゃない、褒められたくて頑張ってただけだよな」の言葉は涙を誘う。
    優秀であるが故に、人類の進歩の礎となった犬。人類にとっては大きな一歩だが、クドリャフカに待つのは確実な死。
    殺されるために訓練する、この矛盾は何だ。
    クドリャフカの冥福を祈る。

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    2013/12/05 22:34

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