ホテル・アムール 公演情報 ナカゴー「ホテル・アムール」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    舞台の濃度に呑み込まれる
    これでもかとしっかりと力量を担保されならがら重ねられるシークエンスが、
    一方でぶれたり崩れたりすることなく、とても緻密であることにも驚愕。

    呆然となるくらいに閉じ込められ、さらに踏み出す二人の関係に凌駕されました。

    ネタバレBOX

    中盤からの力技に近い部分が印象には強いのですが、
    実は冒頭から繊細にしっかりと作りこまれているのだと思う。

    女性の嫉妬心のねちっこさにしても、男の歯止めのきかない感情のぽんぽこぽんにしても、観る側の想像の領域など溢れさせてしまうような、めげることも、斟酌することも、躊躇することもなく、しかも勢いに任せてぶれることのない、力感と精緻さの共存する二人の役者の秀逸にささえられてやってくる。

    最初は、女性のしつこさと男性の我慢の態の可笑しさで、それでも見応え十分だったのですが、そのうち、男女それぞれのキャラクターの貫きに直接脳にプラグをさされたような苛立ちが訪れて、さらには体を張ったお芝居の先にある想いのあからさまさに、しっかりと閉じ込められてしまいました

    しかも二人の役者の狂気が安定していて、物語がカタストロフに投げ出されることなく、そこからさらにロジックを組み上げ、寄り合わされていく終盤にはただただ目をみはる。

    客演のふたりの役者に加えて、劇団の役者の演技も、それぞれの個性からしたたるようななにかがあって実によい。
    ロールの色を、これだけ濃い空間にもへたることなく編み上げて、
    異なるベクトルのエピソードをしっかりと重ね、
    物語の視界を広げていくのは凄いと思う。


    正直なところ、観終わってかなり消耗していました。でも、そのことに観客を気づかせることなく、ただひたすらに描かれた世界に浸しこむ圧倒的な力をもった舞台でありました。

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    2013/12/03 12:23

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