女子大生100年日記 公演情報 学習院女子大学 pafe.GWC実行委員会「女子大生100年日記」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい!!!
    時代時代の女子大生の姿を垣間見る小旅行、素晴らしかったです。

    ネタバレBOX

    4年生ツアーガイドの案内で、学習院女子大学互敬会館を3階、2階、1階と巡りました。

    『こうしてワタシは完全になる - 1969年 ある女子大生が書いた日記より-』作・演出 小池竹見(双数姉妹) 原作 高野悦子『二十歳の原点』

    学生運動と恋愛に挫折して自殺した女子大生の話。弟が姉の自殺の原因を探ろうと日記を分析して当時の数日間を再現しようと試みるという設定。

    観客は全員が男1、女1、女2、女3のシナリオを手渡され、主人公カツコたちの台詞に合わせて共演しました。とても珍しい経験でした。お経のようにボソボソ読んでもいいとのことでしたが、むしろその方が全体に、床一面にジワーっと染み渡るようで一体感がありました。

    ところで、「きんげんだいし」という何か弘法大師の親戚かなと思えるような台詞が一ヶ所ありました。「げ」が鼻濁音だったためにそう聞こえたのですが、本当は近現代史のことでした。この言葉は近代史と現代史を一纏めに言うときの略した言い回しなので、「きん、げんだいし」と、きんとげんの間にワンクッション置くような息遣いで、「げ」は濁音で読むのが正しかろうと思いました。

    『放課後 女子学生1920』 作・古川健(劇団チョコレートケーキ) 演出・倉迫康史(Ort-d.d)

    それぞれ憧れの先輩に手紙を書こうとするスズちゃんとチーちゃんのために、シズちゃんとフーちゃんも加わってみんなで作戦を練る仲良し4人組の話。

    いかにも昔の女学生らしい疑似恋愛を楽しむ世界でしたが、女性の地位向上のために社会を変えていかなければと思いながらも、卒業すれば親の言う通りに結婚していくそんな時代の束の間の自由な時間だったのですね。

    テーブルに置かれた葬送儀礼用の造花のような白いオブジェと、色が落ちて白くまだらになったような衣裳が、彼女たちが今は存在していないことを暗示していました。

    1920年の女子学生ですから、そりゃ今は全員亡くなっているでしょう。それにしても、一番頭が良くて女子高等師範学校に進学させてもらえるか悩んでいたフーちゃんが夢が叶ったと思ったら関東大震災で死んじゃったなんて、3年後だよ、悲し過ぎます。チーちゃんも空襲で死んだって、がさつなスズちゃんも戦争で夫と息子を亡くしたって、ずるいよ、泣かせ過ぎだよー。

    『40 歳の女子大生 - 女子学生2020-』作・演出 横田修(タテヨコ企画)

    学食に集ってだべっている学生たちを隣のテーブルで何とはなしに見聞きする感じ。

    就職が決まったり、家庭の事情で中退する決心をしたり、インチキ宗教にはまりこんだ男と別れようと考えていたり、女子大生としての合コンがやりたくて40歳にして学生になったり、普通の光景が展開されます。どこがー。

    最後は、4年生ツアーガイドが100年間の女子大生の姿を振り返り、女子大生ブランドが無くなる一抹の寂しさを漂わせながら卒業後の抱負を語って終了しました。この人もまた女子大生100年日記の一人なんですね。今後の人生、幸多かれと願いました。

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    2013/12/01 09:56

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