満足度★★★
リアリズムは期待するまじ!
深夜のラブホテルでの痴話喧嘩話という前情報と、ピンクのダブルベッドが舞台中央に鎮座し、それを足元側から覗き見るように客席が設けられているという空間構成から、顔をにまにま、下腹部をムズムズさせつつ覗き見感覚で楽しめるリアルな艶笑会話劇を期待したが、蓋を開けたら痴話喧嘩を端緒にしたただのドタバタ劇。
ステージングから艶っぽいシーンで始まるのかと思いきや、墨井鯨子演じるヨシコという女が隣で寝ている恋人・コウジに声を荒らげて詰め寄るシーンから劇は始まり、せっかくのピンクな気分は幕開けと共に消失。。
序盤のこの痴話喧嘩のくだりも含め全編通じて会話のリアリティはゼロだわ、作・演出の鎌田氏の引っ張り癖、天丼癖が痴話喧嘩シーンも含め随所に出ているわで、観劇中は下腹部のみならず心も萎え気味だったが、ドタバタシーンは思いもよらぬ展開、そしてカップルを演じる墨井さんと今村圭佑さんの吹っきれた演技によりそれなりに楽しく観られました。
喧嘩に疲れて大人しくなった墨井さんの意外にも妖艶な所作、傷ついて泣き出すシーンの思わぬ可愛らしさなど、バルブと同じ墨井ファンにとってはそうした点も見所の一つか?