プロペラとスカーフ 公演情報 アトリエ・センターフォワード「プロペラとスカーフ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「どうしようもない」それでも生きる
    舞台は第一次大戦後の大正、日本初の空冷式発動機を手がける弱小飛行機研究所の物語。

    作品の感想は一言でいえば「どうしようもなさ」。人生のどうしようもなさ、時代のどうしようもなさ。とは言ってもけっして悲観的ではない。ポジティブな舞台だった。

    飛行機乗りになりたいお嬢様。その飛行機乗りになっても虚しさを捨てきれない女。戦争で夫をなくした未亡人。開発している飛行機を戦争に利用されたくない元軍人などなど。

    それぞれ人にはやりたいこと、やりたくないことがある。時代が味方をしてくれて、やりたいことができることもあるが、そっぽを向かれることは多い。現代は大正の昔より可能性を追求できる時代にはなっているが、やはりつまづくことはあり人間関係に悩み、人生の進む方向に悩む。

    何かを選べば、何かと捨てることになる。それでも時代のうねりのなかで希望を見つけ決断して生きていくしかない。そういう「どうしようもない」ながらも強く生きる生命力を作品全体から感じた。

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    2013/11/26 10:27

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