短篇集 公演情報 劇団だるま座「短篇集」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    チャレンジ
     休憩を挟んだ二部構成。詳しくはネタバレを見てちょ。

    ネタバレBOX

     一部では古典落語を下敷きに舞台化したが、初めての試みということもあって、未だ研究の余地がありそうだ。間の取り方にしても、落語は、一人芝居に近い所があるとは言え、あくまで中心は喋りであるから、間が命、一方、演劇の場合は、身体に科白を如何に落とし込むかが眼目であるから間の取り方は自ずから異なる。観客との関係もあるから一概には言えないものの落語的な間にするのであれば、役者は一旦、俳優を捨てて落語家にコミットすべきであろうし、演劇の間にするなら落語家や話に出てくる、隠居、はっつあん、かかあ等々を演じなければならないが、落語の話として演ずるとなると、噺家とその話の中に出てくる登場人物の関係をどう処理するか、という問題が出てくるだろう。メタ化する必要が出てくることも考えられる。そうしないのであれば、完全に脚色して芝居として演ずるという方向も考えられる。第三の道は、このように悩む姿そのものをラディカルに描いてしまう方法だ。但し、第三の方法は侃々諤々の議論を呼び起こす可能性が大だ。が、観客が新しいもの、チャレンジングなもの、実験的なものを望んでいる場合には成功しそうだ。
     二部は通常の短編芝居だったが、こちらは、流石にこなれた演出、演技で実力をいかんなく発揮し、いつも通り、高い作品レベルを楽しませて頂いた。
     ところで、釈迦に説教ということになって恐縮ではあるが、我々、観客についてである。演劇は、微妙な芸術だ。観客の反応によって内容が影響を受ける。だから、演じる側が、新たなことにチャレンジしている時には、今迄の観劇経験をひとまず取っ払って、本質だけを基準に観たいのである。そうすれば、チャレンジしていることの内実が、見えてくるだろう。観客も常に、自らを更新し続けなければ演劇を真に楽しむことはできないように思う。

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    2013/11/25 12:13

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