さいごの国の、はじまりの彩(いろ) 公演情報 『和』 -NAGOMI-Company「さいごの国の、はじまりの彩(いろ)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 感傷的だが引き込む思春期版『不思議の国のアリス』だ

    女子高校生の現実を、ファンタジー色が強い空気感で優しく包み込む時間は何とも心地良い。途中、いびき が二人程の観客から劇場に響いたのも、「手のひら」に覆われた結果だろう。この感触は、まさしく女子高校生•篠原望海(光希沙織)の慕ったババちゃん(芹沢結海子)へ通じる 温かさである。


    ドリンクバーで生ビール一杯注文した私は、白い幕とカラフルな段ボールのセットを確認し、場違いを思い知らされた。多くの観客はオレンジジュースやカシス系統のストロー付きドリンクを手にする。ここは野球場ではない。だが、生ビールの充満する紙コップを手にしたことは正解だった。望海を演じた光希の しとやかな姿が「絵本」に終わらせない大人舞台を造ったのだ。

    ネタバレBOX


    「想いを伝える」を、これほどまで肯定した舞台も珍しい。伝えれば絶対に解ってくれる訳ではない。高校の先輩、父親、母親、義理の兄へ「想いを伝える」をリレー形式で順番ごとに繰り返すのも、結末を待つマンネリは否定できない。(暗黒の女王の囁きだと不十分)しかし、この心地良いは電源を入れ続けたマッサージチェアである。「マンネリ力」とでもいえようか…。

    むしろ、感傷的であることを自覚し、それすら包み込もうとしている。

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    2013/11/24 00:51

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