満足度★★★★
チームワークのよさと鮮明なイメージを呼びおこす舞台演出が際立つ作品
ドラマという性格上、民俗学に精通している方々からみれば専門的に物足りないところがあるかもしれませんが、あの時代の民俗学のありようの一端をそのドラマを通して垣間見せてくれたことと役者の方々が生き生きとその個性的な役を演じられていたことからすると、とてもよくできた人間ドラマの作品であったように思います。
また、限られた舞台装置を活用した、例えば長机とイスをうまく組み合わせて山道をつくりそこを宮本常一が歩いてゆくといった、イメージが鮮明に浮かんでくる舞台演出の冴えや暗転時で皆がてきぱきと動いて次の舞台設定を行うまさにチームワークのよさといったものがこの舞台を支えていたようにも感じました。