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さめザわ
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張ち切れパンダ「
さめザわ
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10434)
満足度
★★★
喜劇は難しいのだ
リーフレットの説明文を読んだ時点でシナリオの出来には察しがついた。
ネタバレBOX
申し訳ないが、喜劇を書く力は無い。先ず、現実とそれを観察した上で舞台化するハードルを甘く観ている。結果、今作には、太い筋が通っていない。つまり非論理が介在している。その非論理をメタレベルで笑い飛ばす構造化も為されておらず、これは作家の怠慢でなければ才能のはき違えだろう。喜劇は、悲劇に比べて遥かに難しいジャンルである。悲劇は、或る程度の才能がれば、誰でも書けるが、喜劇はそうではない。
重複する点もあるが、以下、強調しておく。喜劇のコンセプトに対し、内容が矛盾しているシナリオで、その点を笑い飛ばす契機も盛り込まれていない。シナリオライターは、論理的に書くべきである。論理で徹底できないなら、作演が同一人物なのは良くない。作家の不備を指摘できる演出家を別に立てるべきであった。
また、作演担当者は、喜劇の要諦を理解していないようにも思う。それは、箍を外すことにある。箍を外す為には、外される側の世界が過不足なくキチンと構成されている必要がある。舞台美術でそれを表現したつもりかも知れないが、物として物理的に存在しているだけで、物を通して語らせるレベルには達していないし、そうしようとの配慮も見られなかった。本質を掴み取れないなら、このジャンルには不向きである。個々の役者の中では、鮫沢役、女将さん役、大手スーパーの社員役が気に入った。何れにせよ、不備を補うことを余儀なくされたのは、役者陣である。役者陣に助けられた舞台であった。
キーになる鮫沢の“死んだふり”は、1回目で? と思わせ、2回目で疑わせ、3回目で死んだふりの出来る特異体質を想定しなければ成り立たない、という医学的にはあり得ない想像をせざるをえなくさせるのだが、その鮫沢のエピソードを明らかにする大事なシーンで、唯一の友人であり、後、大手スーパーの社員になって、鮫沢の働くスーパー売却に関わっている人物の思い遣りを拒否した後の表情は頂けない。それは、如何ともし難い歪に過ぎないからである。これは、喜劇的手法には禁じ手であろう。何故なら歪は人生の深淵を映し出してしまうからである。使うならメタ化が必要だが、その論理構築力も無く、恐らくは、その必要性に気付いてもいないことが、シナリオを台無しにしている。契約書のシーンでもオリジナルは2部作成し、割印をして各々の当事者が1部づつ持つのは、当たり前過ぎることなのだが、この辺りもネグレクトして、その向こう側にフォローがない。重層化が足りないので、喜劇では無く、中途半端な作り物になってしまったのである。重々、考察されたし。以上のような理由から、星は、シナリオ・演出は1.5、役者の演技が大分助けてくれたので総合で3にした。
批判してばかりではなく、褒めるべき点では、さめザわのザの、、が4つ振ってあって、鮫の鰓部分を表現するなど、細かい笑いに関してであった。このような笑いは確かに隋所にあったのである。但し、本質を捉える力が弱い点に関してはくどくど述べた通り。んひゃ~~~~!
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2013/11/20 12:35
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