この汗は、選手と団体の成長物語だ
「女子プロレス」へのオマージュを、汗と肉体と演劇で込めた2時間…。
主にリングの裏側を描き、女子レスラーの「私生活」だとか、団体内部の「闘争心」を 裸にする。
おそらく、リング外の「新宿女子プロレス」だけであれば、賞味期限間近の コンビニ弁当だった。最も 熱かったのはプロレス試合の「リング内」。ただし、演劇的な描写を重視したためか、一つひとつの技こそ忠実だった反面、スピード感が乏しい。
私は、女子プロレスを観戦するが、風を切る 肉体は なくてはならないパフォーマンスの一種だ。それを可能とするのは張り付けられたロープである。
舞台稽古のなか鍛えた、新宿女子レスリングのパフォーマンスを最大化することは、ロープを再現してこそ。観客も試合のシーンでテープを投げ、「場外乱闘」も観客席でやればいい。「タッグマッチ」もいい。
巻き込んだっていい。技の忠実さ は、レスラー達が掲げる、汗まみれの印籠である。
女優という女子レスラー…女子レスラーという女優…。