吉田光希(映画監督)×河西裕介(演出家)『ハアトフル』 公演情報 浮間ベースプロジェクト「吉田光希(映画監督)×河西裕介(演出家)『ハアトフル』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    三人の女性たちの表と裏
    辛い日常が赤裸々に、凄いですね。

    ネタバレBOX

    女優を目指しながら、イベントなどでの歌のお姉さんのバイトをして頑張っている地方出身の若い女性三人の普段の生活を、と言っても結構辛い日常を切り取って描いた話。

    先ず1階で二人の作家の共作によるイントロダクションとして、イベント会場で子供たち相手に歌う優しいお姉さん振りを見せる三人の表の顔が示されました。その後、2階に移動して河西裕介バージョンによるチエの日常が描かれ、さらに3階に移動して吉田光希バージョンによるフタバとソノミの様子が描かれました。

    男に入れ込み捨てられ、またすぐに別の男に入れ込んで騙されるような男にだらしないチエ。国分寺大人倶楽部っぽく、セックスと暴力に溢れていました。辛く悩んだチエが電話を掛けたときの、いきなり金の無心を断るような母親の対応には、めったに掛けてこない娘なんだから話を聞いてやるのが母親というものだろうと思うとともに、日本の家庭事情が透けて見えるようでした。

    フタバと街で知り合い、彼女のアパートに押しかけてきた男たち。そんな悪い奴らが、フタバからちょっと罵倒されたぐらいで気分を害して帰りますかって。返って火に油を注ぐようなものです。何か上手い工合にセックスシーンを避けたという感じでした。薬もやっていたような荒んだフタバは自殺しました。

    全く無縁なので、缶をへこまし薬物を乗せて火で炙る光景は別世界を覗いたような気がしました。

    オイルマッサージのバイトの方が本業ともいえるソノミは客から性的サービスを強要されました。そういうタイプの店ではないようですから、一回やっちゃうと今度はそれをネタに脅されることにもなりかねず、毅然とした態度を取るように、あるいは店長に連絡するようにと恐らくマニュアルに示されているはずです。あり得ないと思いましたが、結局は堕ちてしまったソノミでした。性的サービスの様子はあれでは悔しくてベッドを叩いているようにしか見えませんでした。

    場合によっては屋上も使えるそうですが、今回は浮間ベースの1階から3階までを使いました。そんな手法には特段の感想はありませんが、お披露目セールのようなものだと思いました。2階は元鰻屋さんだったのしょうか、ウナギの匂いが染み込んでいました。

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    2013/11/07 12:52

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